- 発行日 :
- 自治体名 : 宮崎県えびの市
- 広報紙名 : 広報えびの 令和7年8月号
皆さんは、自分の血圧がどれくらいか把握するために定期的に測定していますか?高血圧の状態が続くと、血管に負荷がかかったり、さまざまな病気になりやすくなったりします。今回の特集では、血圧の話や正しい血圧の測定方法などを紹介します。自分の血圧を知るために、血圧測定を習慣にしませんか?
■2人に1人が高血圧
高血圧は、血圧が正常より高く、慢性的に続く状態のことをいいます。高血圧は、喫煙と並んで、日本人の生活習慣病による死亡に最も大きく影響する要因です。過去数十年で大きく減少しましたが、今も20歳以上のおよそ2人に1人が高血圧です。
また、えびの市の国民健康保険医療費では、高血圧の患者1人当たりの医療費が県内ワースト1位で、国や宮崎県と比較しても高血圧で治療している人の割合が高くなっています。
参考:国保データベースシステム(KDB)「地域の全体像の把握」令和5年度特定健診質問票
■血圧って何?
心臓はポンプのように収縮と拡張を繰り返し、血管に圧力をかけることで全身の組織に規則正しく血液を届けています。血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の内壁を押す力(圧力)のことをいいます。
■なぜ高血圧がいけないの?
高血圧の状態が続くと、血管は常に強い圧力を受け、壁が傷ついたり柔軟性がなくなって硬くなったりします(動脈硬化)。高血圧は、全身のさまざまな臓器や器官に影響を与えますが、動脈硬化が起こると、血液を送り出す力が弱まるため、特に多くの血液を必要とする臓器が影響を受けます。その中でも特に影響を受けやすいのが、「脳」、「心臓」、「腎臓」です。
自覚症状がないからと放置していると、ある日突然脳卒中や心臓病などの命に関わる病気を引き起こす恐れがあります。
■高血圧によって影響を受ける臓器
▽脳
脳の血管は直角に曲がったり、複数に分かれたりしています。また、太い血管から急に細い血管になっています。そのため、血圧が高いと脳の血管が傷みやすくなります。
▽心臓
動脈硬化によって、心臓の病気発症のリスクが高まります。また、より大きな力で血液を送り出そうとするため、心臓の筋肉が厚くなり、心不全を起こしやすくなります。
▽腎臓
血液の中の不要なものを尿として排出するため、最も血流が豊富で、圧がかかりやすい臓器です。細い血管がたくさんあり、高血圧が続くと腎機能が低下します。
■高血圧を予防しましょう
高血圧の原因には、遺伝的な要因と、塩分の取りすぎや運動不足、肥満、喫煙、飲酒などの環境的な要因があります。生活習慣を見直し、改善することで多くの高血圧を予防することができます。予防方法については、9月号から広報えびの「pick up information」内の「健幸」で紹介していきます。
また、健康診査は、心電図や腎機能検査など、血圧が影響する臓器の状態がわかるため、年1回は受けましょう。