健康 [お知らせ] 地域包括医療局からのお知らせ

美郷町国民健康保険西郷病院臨床検査技師の大久保收二です。
今回は「検査」についてお話させていただきます。

■臨床検査技師とは
みなさんは臨床検査技師という職業をご存じでしょうか。
新型コロナウイルスの流行で、PCR検査に携わる職種として耳にされた方もいるかもしれません。臨床検査技師は医師の指示のもと、病気の診断や治療、健康の維持のための検査を行う仕事です。検査には患者様から採取した検体を用います。血液や尿を用いて肝臓や腎臓に異常がないか分析したり、喀痰や膿の中に発熱の原因となる微生物がいないか顕微鏡で究明したり、細胞や組織の中の悪性細胞を見極めたりなどさまざまな検査を行います。病気の早期発見や早期診断につながったときはとてもやりがいを実感します。

■検査への影響
みなさんは健診前や次回採血となったときに、「朝食はとらないでください」「前日は脂っこいものは控えてください」と説明をうけた経験があるかと思います。それは、血糖値や中性脂肪の値に影響があるからです。食後から空腹の状態に戻るまで、血糖値は約2時間、中性脂肪は約10時間かかります。「朝食を抜いたからこれくらいはいいだろう」と朝ガムを噛んだり、アメを舐めるだけでも血糖値は上昇してしまいます。また、前日に「早めの晩ご飯ならいいだろう」と焼肉やラーメンをお腹いっぱい食べてしまっては、翌朝までに中性脂肪は下がりきれません。他にも、喫煙はニコチンの作用で血管が収縮するため、血圧が上がってしまいます。加熱式たばこも同様です。このように、注意事項を守っておかないとあたかも異常があるかのような検査結果になってしまうこともあります。

■おわりに
今回挙げたのはほんの一例で、検査の種類によって注意事項はさまざまです。ついうっかり守れなかったときは、正直に申し出ることも大切です。検査はみなさまの健康状態や治療効果を把握できる貴重な機会です。ご協力をよろしくお願いします。