- 発行日 :
- 自治体名 : 宮崎県美郷町
- 広報紙名 : 広報みさと 2025年5月号
10.保健・福祉の充実
(1)保険及び保健事業の充実
健康づくりとして、特定健診、後期高齢者健診及び各種がん検診の受診率向上に努めてきました。本町の国民健康保険事業における医療費につきましては、一人当たり医療費の順位が県内で上位になっていることから、今後も住民の健康増進・疾病予防のため受診率向上を図りながら、医療費の適正化と健全な財政運営に努めてまいります。
さらに、データヘルス第3期及び健康日本21第3次計画を基に、国民健康保険保健事業と後期高齢者保健事業、介護予防事業と連携し、一体的に生活習慣病予防、重症化予防に取り組んでまいります。
母子保健については、1か月児健診の導入や産後ケア事業のショートスティ型の導入、及び妊婦や未就学児世帯においてオンライン医療相談の実施により母子の健やかな成長を支援してまいります。また、全ての妊婦・子育て家庭がより安心して出産・子育てができるよう引き続き、美郷町子育て世代包括支援センターにおいて、伴走型相談支援や経済的支援を行ってまいります。
(2)社会福祉の充実
少子高齢化・超高齢化が進む中、誰もが住み慣れた地域で安心して生活できることが求められています。そのためには町政による福祉施策の充実はもとより、町社会福祉協議会、民生委員児童委員協議会並びに民間福祉団体等と協働・連携しながら福祉の町としての環境づくりをさらに進めてまいります。
(3)児童福祉の充実
町民が安心して子育てができる環境整備のため、中学生までの子ども医療費の無償化、保育料の無償化・減免、子育て支援センターの充実などを継続して推進するとともに、職員のスキルアップ等を通じ保育所及び放課後児童クラブの充実を図ってまいります。
また、子どもの貧困、ヤングケアラーや児童虐待に対しては、要保護児童対策地域協議会や子育て世代包括支援センター等関係機関の連携を強化し、家庭相談の推進や幼児・児童の権利擁護と療育環境の整備に努めてまいります。
(4)高齢者福祉の充実
令和6年10月1日現在、本町における住民基本台帳での65歳以上の高齢化率は54・2%であり、県下トップの状況が続いています。高齢者が安心して地域で暮らせるためには、気軽に相談できる体制が必要です。社会福祉協議会との連携により独居高齢者等への個別訪問事業を継続し、高齢者の困り事や福祉ニーズに速やかに対応するとともに、高齢者がそれぞれの関心等に合わせて参加できるような「多様な通いの場所」の継続に努め、心も体も塞ぎ込むことのないよう、地域で支える仕組みの涵養に努めてまいります。
高齢者の多くは住み慣れた自宅での生活を望んでおり、その高齢者が支援や介護が必要な状態になっても、可能な限り住み慣れた地域で安心して生活を送ることができるよう、医療・介護・予防・生活支援・住まいのサービスを一体化して提供し、高齢者を地域全体で支えていくための「地域包括ケアシステム」の構築を継続し、地域の実情を踏まえた介護サービス基盤の整備・拡充を推進します。この地域包括ケアシステムを実現させるための重要な一手法である「地域ケア会議」は、高齢者個人に対する支援の充実とそれを支える社会基盤の整備を同時に推進するものであり、会議の定期開催と充実を図ります。また、令和6年度からの3个年計画で策定した第9期介護保険事業計画を基に介護保険事業特別会計の適正な運営に努めてまいります。
(5)障がい者福祉の充実
障がい者の日常生活や社会生活を支援するため、引き続き自立支援給付や地域生活支援事業を適切に実施するほか、関係機関や当事者団体等との連携を図りながら、障がい者が住み慣れた地域で社会と共生できるよう努めます。
また、様々な地域課題の解決に向けて開設された、障がい児・障がい者支援事業所「そうだんサポートセンターみさと」、地域全体で支援する協力体制づくりを目的とした地域生活支援拠点整備として開設された「日向市・東臼杵郡基幹相談支援センター」の両センターと連携、協力して手厚い個別支援や支援体制づくりの強化を進めてまいります。併せて、令和6年度から3个年で策定した第7期障がい福祉計画、第3期障がい児福祉計画に沿って事業を進めてまいります。
(6)ひとり親家庭支援の充実
社会情勢が変化する中、影響を受けやすいひとり親家庭等の自立促進と児童の健全な成長を確保することが重要な課題となっています。そのため、子どもの養育や経済面・健康管理など多くの困難を抱えているひとり親世帯に対し、医療費の助成などを実施してまいります。
(7)消費生活の安定と向上
若者から高齢者まで幅広い年齢層において訪問販売や通信販売等の消費生活トラブルが多発している中、地域や関係機関等との連携により悪質商法や詐欺行為を排除するとともに、日向地区広域消費生活センターとの連携による相談窓口の機能強化や未然防止に向けた消費者教育と啓発活動を強化・推進してまいります。
11.医療の充実
国保病院及び診療所事業につきましては、地方公営企業法に基づく独立採算制を目指しながら、同時に地域住民の保健、医療、福祉の役割を担うという公的医療機関の立場にあります。今日まで、医療の提供はもとより保健、福祉の充実という面においても中核的な役割を担いながら、地域の高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できるための地域包括ケアの実践等に努めてきたところです。
また、令和2年4月からは、安心・安全な医療の提供を目指し、医師の働き方改革への対応や就労環境の改善など多くの課題を解決するため「医療提供体制」の改編を行い、現在の体制を構築し運営を行ってまいりました。
今後は、新たに策定されました「第8次医療計画」や「地域医療構想」に基づく医療提供体制の変革に対応するため、病床機能の更なる再編や機能分化が課題となりますので、それらに対応するためにも、県や大学、医師会等の関係機関との連携を密にしながら、派遣医師の継続と定着医師の確保に取り組んでまいります。
町内3つの医療機関を維持し、持続可能な地域医療の確立を目指して、関係機関と連携しながら更なる医療の充実を目指してまいります。
12.防災対策の充実
近年頻発する台風や豪雨、更には、近い将来の発生が懸念される南海トラフ巨大地震等に対応するための防災・減災対策が、喫緊の課題であると考えています。このことから、美郷町地域防災計画や美郷町国土強靱化地域計画など各種計画に基づき、災害から町民の命と財産を守り、迅速に復旧・復興が可能となるよう様々な対策を組み合わせる必要があります。防災行政無線等の施設整備のハード面や、自主防災組織や外部関係団体との連携等のソフト面の両面から、防災・減災対策の強化を図ってまいります。