文化 シリーズ第16号 前略、市史編さん室より

■市内の自然を調査!
今回は自然分野の中の植物について紹介します。指宿にはたくさんの植物が生育しています。その中には県が指定する保護が必要な指定希少野生動植物やレッドデータブック(絶滅しそうな生き物の種類・原因などをまとめた本)に掲載された絶滅の恐れのある植物もあります。
例えば、開聞地域の3分の1の面積を占める開聞岳には、海岸から924mの頂上まで環境に応じてさまざまな植物が生育しています。これまでの文献資料や記録によると、それらの植物の中には、指定希少野生植物の「クマガイソウ」、絶滅危惧種の「カヤラン」などの希少植物が生育しているとされています。「カヤラン」は、大正11年(1922)に開聞岳で生育を確認された記録がありますが、それ以降、標本で確実に確認できる記録はありません。このように、これらの植物が現在も開聞岳に生息しているのか不明のため確かめる必要があります。また、指定希少野生植物の「キバナノセッコク」や「ナゴラン」などの、新たな確認も期待されています。
このようなことから、市史編さん事業の植物の調査では、文献資料のとおり植物が分布・生育しているか、これまでの文献資料などに記録はない植物はないかなど、現在の自然の現状を確かめる視点で調査を進めています。
最後に、地域特有の植物の利用方法や呼び名(方言)、市内に分布する珍しい野生植物など知っている人はぜひ市史編さん室まで連絡してください。

問合せ:市史編さん室市史編さん係
【電話】080-8210-1656