くらし 【特集】霧島とゼロカーボン(2)

【私たちにできること】
ゼロカーボンを実現するために、日頃からできる取り組みとその効果を紹介します。

「ゼロカーボン」を実現するため、私たち一人一人には何ができるのでしょうか。
県知事より指定を受け、地球温暖化防止に関する普及啓発活動などに取り組む、県地球温暖化防止活動推進センターの大津睦雄さん(63)に尋ねました。

■家計にもお得。ゼロカーボン
「地球温暖化とかゼロカーボンというと難しいと思うかもしれませんが、日常生活の中ですぐに実践できる、負担の少ないものから始めることが大切です。まずは省エネから。例えばテレビを見ていない時は小まめにスイッチを切るようにします。液晶テレビ(505.型)をつけている時間を1日1時間短くすると、二酸化炭素排出量を1日当たり34グラム減らせます。これを1年間続けると、約12キロの二酸化炭素を削減することになります。ゼロカーボンの実現に重要な要素である樹木による二酸化炭素の吸収量は、杉1本当たり年間8.8キロとされており、杉を1本植える以上の効果を生み出す計算になります。他にも簡単にできることがたくさんあります。これは、ゼロカーボンのためだけではなく、各家庭の光熱水費を減らすことにもつながりますよ」と大津さんは話します。
本市でも省エネの取り組みとして、省エネ家電への買い換えを支援する「省エネ家電買換支援事業」を実施しています。「蛍光灯や古いエアコン、冷蔵庫などの家電を省エネタイプの物に買い換えるのも、環境に優しく、やはり光熱水費の削減につながるのでお勧めです」と大津さんは続けます。

■ゼロカーボンにつながる
「地元の食材を選ぶことも、フード・マイレージの観点から見てゼロカーボンにつながる行動の一つです」と話す大津さん。「フード・マイレージ」とは、食料の輸送量に輸送距離をかけた指標のことですが、日本のフード・マイレージは、諸外国に比べてとても大きく、地球環境に大きな負荷をかけています。「他にも車を運転するときに、車間距離に余裕を持って、加速・減速の少ない運転をすることや、買い物をするときにエコバッグを持参することもゼロカーボンにつながります。日常の生活でゼロカーボンにつながることを家庭で考えてみるのも良いですね」と提案します。
「霧島市における温室効果ガス排出量のうち家庭からの排出が約19.3%を占めており、市民一人一人が活動に取り組むことがゼロカーボンの達成には不可欠です。一人の削減量は小さいかもしれませんが、多くの人が取り組むことで、大きな効果を生み出します」

▽霧島市の豊かな自然を将来に残し、快適で住みよいゼロカーボンのまちを作り上げていくため、できることから少しずつ始めてみませんか。

県地球温暖化防止活動推進センターセンター長
大津 睦雄さん(63)