くらし 令和7年度 予算と方針(1)

■市民と行政が共創の力で活力ある富良野市の実現に向け
◆令和7年度 市政執行方針
令和6年の日本経済は、元日の能登半島地震などの自然災害、一部自動車メーカーの工場稼働停止などにより、国内の生産活動が大きく抑制されました。
一方で、前年を大幅に上回った賃上げや、増加が続く訪日外国人数は過去最高を更新し、年の中ごろからは個人消費が増加に転じるなど、景気は回復基調にありました。
しかし、円安加速と物価上昇は、個人消費への逆風となり、人手不足は、飲食・宿泊サービスや、建設・運輸業など、家計や企業のマインドに悪影響を及ぼしました。
令和7年は、実質賃金の回復と個人消費の改善が日本経済の成長を支える重要な要素となることから、持続的な成長の実現のための、正念場になると言われています。
こうした中、政府は、物価上昇を上回る賃上げを定着させるとともに、グリーン、デジタルなどの成長分野に官民が連携して投資を行うことで、経済全体の生産性を高め、成長型の新たな経済ステージへ移行することを最重要課題と位置付けています。

◇選ばれる〝まち″であり続けるために
富良野市が国内外から選ばれる〝まち″であり続けるためには、第6次富良野市総合計画中期基本計画に基づき『「美しい」のその先へ。WA!がまちふらの』をスローガンとして、新たな時代に対応できるまちづくりにスピード感を持ってチャレンジしていくことが肝要です。
これは、経済的な成長と心豊かな暮らしのバランスが取れた、持続可能なまちづくりの実現に資するものであり、市内の人口は減少傾向ではあるものの、祭りなどの伝統文化を通して人と人とが繋がり支え合うまちづくり、豊かな自然環境の保全と市街地機能の充実、農業・観光の振興や健幸都市づくりなど、「人」と「環境」と「市街地活力」を高める施策に取り組んできた結果、宿泊施設など企業立地の問い合わせや、ふるさと納税も令和6年度においても最高を更新し続けています。
この成長の果実を生かして、子どもたちの心身ともに健康な成長を応援できる環境づくりや教育環境の充実、安全・安心な健幸都市の推進、人材確保対策などに積極的に取り組み、元気なまち、住みやすいまちとして、持続可能で豊かなまちづくりを進めます。

◇「こどもまんなか社会」の実現
国では、「地方創生2・0」の基本的な考え方として、各地域が自ら考え、行動を起こし、「女性や若者にも選ばれる地域」となることが重要と指摘し、深刻化する人手不足や地域間の賃金格差、買い物・交通・医療など日常サービスの改善と、インバウンドの増加やリモートワークの普及などの施策を検討していくとしています。
自治体DXに追い風が吹く中で、全国の自治体が令和7年度末までに、国が定める指定基幹20業務の標準準拠システムへの移行の動きがいよいよ本格化します。
本市においても、急速な少子化や人口減少が、経済、市民生活、医療・福祉、まちづくりの各分野に大きな影響を及ぼし、社会全体の活力低下を招くことが懸念されています。
こうした状況のもと、将来にわたりWA!がまちふらのが発展していくためには、次代を担う子どもたちの育成が重要な課題であり、質の高い教育環境の整備や、文化・スポーツ活動の支援に力を入れ、子どもや若者が将来に夢や希望を抱き、自己実現に向けてチャレンジできる環境を整えるとともに、どのような家庭環境、経済状況であっても、子どもたちが分け隔てなく大切にされる、「こどもまんなか社会」の実現に努めます。
人口減少や少子化・高齢化の進展などの構造的な課題や、緊迫した国際情勢、物価高騰などの社会情勢に適切に対応し、将来にわたって本市が活力を維持し持続可能な未来を切り拓いていくため、限られた経営資源を有効に活用して施策の「選択と集中」を図り、「自らの地域のことは自らが決める」という意識のもと、相互に理解し、信頼し合いながら、協働して、豊かなコミュニティが形成されるよう、3つの重点施策をはじめ、市民と行政とが共創の力で「公共」を担う、活力ある富良野市の実現に向け、全力で市政運営にあたります。

■令和7年度 教育行政執行方針
将来の予測が困難な現代社会において、次代を担う人材を育成するとともに、生涯学習社会の実現に向けた環境づくりを推進します。また、こどもまんなか社会の実現に向け、富良野市こども計画(仮称)の策定について、第1次富良野市教育振興基本計画の成果と課題を検証・整理し、次期計画の策定に取り組みます。

◇学校教育
国が示す教育振興基本計画の持続可能な社会の作り手の育成及び日本社会に根差したウェルビーイングの向上をコンセプトに、全ての子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させ、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に取り組みます。
また、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒が、自身の学習面や生活面などの困り感に応じた支援を切れ目なく受けられるよう、自校通級や巡回指導などを実施するとともに、本年度は、富良野西中学校にも通級指導教室を開設し、生徒の教育ニーズに応じた支援体制の充実を図ります。
高校教育について、本年4月より新設校として開校されることから、教育活動の充実による魅力的で地域から求められる高校づくりに向けて、「高等学校入学者パスポート助成金」を新たに創設し、海外経験を得られる機会づくりを促進するなど、協力支援を進めます。

◇社会教育
ふるさと富良野への愛着と誇りをもち、ともに学び合い、心豊かにつながるまちづくりに向け、生涯にわたって学び続けることができる取組を進めます。

◇切れ目のない子育て支援
少子化や核家族化など、保護者の就労状況や家庭環境、社会的背景の変化に伴う様々なニーズに対応するため、認可保育所、認可外保育所、幼稚園などと連携し、必要な保育事業の提供に努め、安心して妊娠・出産・子育てができる環境づくりを推進します。
また、こども家庭センターを拠点に、乳幼児期における健やかな育ちを支援するとともに、切れ目のない包括的な相談・支援、子どもの権利を守るための支援を充実させます。