くらし 令和7年度村政執行方針 占冠村長田中正治(6)

IV.行財政の概要
■第1 行財政の運営
「歳入に見合った歳出」を財政運営の基本として取り組んでおりますが、住民サービスに欠かせない委託業務や、人件費、村有施設維持に必要な光熱水費など、必要性が高い経常的支出が多く、加えて物価高騰の影響もあり、経常経費の増大と基金残高の減少が課題となっています。
これらの課題に対応するため、引き続き補助事業の積極的な活用、有利な起債や貸付金の検討、ふるさと納税の増収、魅力ある地域づくりを通じた人口増による税収増をめざします。また、観光振興に必要な財源を確保するため、令和8年度からの徴収をめざした宿泊税の準備を進めます。そして、これらの施策を推進するためには官民を問わず地域の人材が必要不可欠であるため、地域企業振興条例を活用した人材育成事業の推進や職員研修等を積極的に進めてまいります。

■第2 令和7年度の一般会計、特別会計の概要
令和7年度占冠村一般会計及び各特別会計並びに公営企業会計予算案の概要を申し上げます。
提案いたします予算規模は次のとおりです。
・一般会計 32億6510万円
・国民健康保険事業特別会計 1億2550万円
・村立診療所特別会計 8620万円
・介護保険特別会計 1億1680万円
・後期高齢者医療特別会計 2200万円
・歯科診療所事業特別会計 2320万円
・簡易水道事業会計 2億2480万円
・公共下水道事業会計 1億3800万円
8会計合わせて40億160万円

前年度との増減比較は次のとおりです。
・一般会計 4億6310万円の増額16・53%の増
その他特別会計及び公営企業会計を含めた全体4億6970万円の増額13・30%の増

今年度の予算編成の考え方としては、「骨太の方針」と昨年の実績等を参考としながら、一般会計は前年比16・53%の増額で計上しております。
歳出においては、橋梁の補修工事など、必要かつ緊急性の高い事業を選択し、引き続き新規普通建設事業等の抑制に留意しながら、財政調整基金及び特定目的基金の繰入金により財源不足に対する補完を行っております。
歳入の村税は、昨年度の実績等を考慮し、前年比5・38%の減額を予定しております。地方交付税は、普通交付税が10・00%の増額、特別交付税は23・10%の増額で計上しております。
繰入金は、財政調整基金1億3650万円、特定目的基金2億8138万円の繰入れで3・84%の減額計上としております。
村債は、占冠中学校トイレの改修などの新規事業に対応するため、前年比184・15%を計上しております。
歳出を性質別にみますと、それぞれ人件費4・60%、維持補修費12・78%、扶助費12・63%、公債費8・26%、繰出金2・21%の増額、物件費15・32%、補助費等3・69%の減額となっております。
令和6年度末見込みの基金残高は、財政調整基金2億610万円、特定目的基金は、3億5380万円を見込み、引き続き基金への積立を図り、自主財源の確保に努めてまいります。
次に特別会計について、説明いたします。
今年度は、国民健康保険事業特別会計が10・68%の減額、村立診療所特別会計が3・61%の増額、介護保険特別会計が0・17%の増額、後期高齢者医療特別会計が1・35%の減額、歯科診療所事業特別会計が2・65%の増額となっています。また、簡易水道事業会計については2億2480万円で20・99%の増額、公共下水道事業会計については1億3800万円で13・15%の減額となっております。
特別会計等においても、所要の経費の削減を図りながら、健全な事業運営を進めてまいります。

V.むすびに
以上、令和7年度の村政執行にあたりまして、基本方針及び主な施策について申し上げました。
少子・高齢化、人口減少社会の流れは全国的な課題となっており、持続可能な社会をどう創造していくかは、行政はもちろん、議会も含め村民が一体となって乗り越えていかなければならない課題だと思っています。
占冠村には幸い、様々な社会資源がありますので、知恵を出しながら乗り越えるため共に頑張りたいと思います。
私自身、任期最後の年となりますが、占冠村の未来を着実に前へ進め、地域を発展させることを目標に村づくりを進め、議会、村民の皆様とも情報を共有し、行政運営を行ってまいります。
行政を進める上で役場の果たすべき役割は重要であり、改めて職員と共に努力し、村民に信頼され、期待に応えられるよう頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします。
むすびに、すべての村民が報われる社会をめざし、「生まれて良かった」「育ってよかった」「暮らしてよかった」そして住み続けたいと思える村づくりのため、努力してまいります。
村議会議員の皆様並びに村民の皆様の一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、村政執行方針といたします。

令和7年3月6日 占冠村長田中正治