- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道浦幌町
- 広報紙名 : 広報URAHORO 令和7年3月号
■浦幌町長 井上亨
「ジェンダー」という言葉があります。
よく性別(生物学的な男性または女性)のことと思われがちですが、そうではなく、社会的・文化的に形成される「男性らしさ」や「女性らしさ」を示すものです。
分かっている風に書きましたが、実は私もこのジェンダーに関してはほとんど理解していませんでした。
しかし、このことをしっかりと学び、ジェンダーギャップ解消や多様性を受け入れる社会が実現すると、人口減少に悩む我が町であっても、逆に住んでみたい町に変わる可能性があることを知ったのです。
その気づきは1月に帯広市で開催された「ジェンダー勉強会」にありました。
講師を務めていただいたのは元兵庫県豊岡市長の中貝氏。
市長時代は絶滅の危機に瀕していたコウノトリの野生復帰や、暮らしに演劇を取り入れるなど豊岡らしさを武器にまちづくりを展開。
同時に、ジェンダーギャップ解消を人口減少対策の柱に掲げ様々な政策を進めてきたのです。
何故、ジェンダーと人口減少対策が結びつくのか?
それは中貝氏が若年層の移動率に着目した結果、進学等により10代で市を離れた後、20代になって再び市に戻ってくる「回復率」を見て驚いたからです。
なんと男性が圧倒的に多く女性が少ないという結果でした。
これは残念ながら浦幌町の統計も同様だったのです。
若い女性にとって、田舎よりも都市部の方が偏見や差別がなく自分らしい生活ができるということなのかも知れません。
だとすれば、豊岡市のようにジェンダーギャップを解消し、女性が活躍できる社会を目指すことこそ人口減少に歯止めをかけるために不可欠な政策だと痛感したのです。
今後、町民の皆様にも広く理解していただきたく、ジェンダーに関する勉強会を進めていきたいと思います。
「女だから、男だから、ではなく、私だから、の時代へ。」(第21回男女共同参画週間のキャッチフレーズより)