くらし 旧吉田家住宅主屋が開館します(1)

5/23 FRI 13:00 OPEN

東日本大震災で被災し、本年3月に復旧が完了した気仙町今泉地区の県指定有形文化財「旧吉田家住宅主屋」が、5月23日(金)、待ちに待った開館を迎えます。
今泉地区を始めとした気仙地方の歴史文化を現代に伝える貴重な財産として、長く市民に親しまれてきた「吉田家住宅」。震災により全壊し、県の文化財としては主屋1棟のみが指定継続となりましたが、気仙大工左官の匠の技術が随所に盛り込まれる形で、「旧吉田家住宅主屋」として見事によみがえりました。
見どころ満載の展示や解説を通して、江戸時代の気仙地方の生活や政治の様子を、ぜひ体感してみませんか。

■旧吉田家住宅主屋とは
吉田家は、江戸時代に仙台藩気仙郡(現在の陸前高田市、住田町、大船渡市、釡石市唐丹)の24カ村を統治していた「大肝入(おおきもいり)(地方役人における最上位の職)」で、その主屋は享和2(1802)年に建てられました。
主屋は、藩政期の気仙郡の政治の拠点として、また宿所として使用されていた大規模なかやぶきの建物で、敷地内には土蔵や味噌蔵をはじめとする附属屋や庭園などがあり、周辺のまち並みと合わせ今泉地区の歴史や文化を知ることができる財産として大切に保存されてきました。
旧仙台藩内においてこの種の建物の多くが解体されている中、建築年代や大工棟梁の名、部分的ではあるものの藩政期の使われ方が明らかとなっている吉田家住宅は、仙台藩の地方(じかた)支配を物語る数少ない遺構となっており、平成18年には、主屋、土蔵、味噌蔵、納屋(長屋)の1件4棟が県指定有形文化財(建造物)に指定されました。
その後、東日本大震災により全壊し、部材は散在。惜しくも附属屋3棟(土蔵、味噌蔵、納屋)は滅失となりましたが、主屋については吉田家当主と地域住民が部材回収に奔走し、全体の6割程度を回収。歴史的価値を有したまま復旧が可能であるとして、平成30年に主屋1棟が県の文化財として指定継続となり、名称も「旧吉田家住宅主屋」に変更されました。
「回収した部材は、できる限り元の箇所に使用する」などの方針のもと、復旧作業は令和3年度から本格化。津波で被災した部材を使用した木造建築物の復旧という世界初の一大事業は、多くの関係者の支援を得ながら本年3月に完成となり、待望の開館を迎えます。

■復旧までの道のり
(1)被災前の吉田家住宅(平成5年当時)
(2)被災状況(岩手県立博物館提供)
(3)部材の塩分濃度測定
(4)上棟式(令和4年4月)
(5)復旧作業(煙出し設置)
令和7年3月完成
※詳しくは本紙をご覧ください。

■施設概要
所在地:陸前高田市気仙町字町裏200番地7
開館時間:午前9時~午後4時
※5月23日(金)のみ一般開放は午後1時から
入館料:
個人…300円
団体(10人以上)…200円
陸前高田市民、大学生以下、障害者手帳所持者(重度)とその介助者1名…無料
※令和8年3月31日(火)までは、全ての人の入館を無料とします。
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)・年末年始(12月29日~1月3日)

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問い合わせ先:
見学…旧吉田家住宅主屋【電話】0192-22-8872
施設利用…市教育委員会教育総務課文化財係(【電話】内線555)