- 発行日 :
- 自治体名 : 秋田県横手市
- 広報紙名 : 市報よこて 令和7年10月号
横手市議会9月定例会が、8月22日から9月19日までの日程で開催されました。
その開会にあたり、髙橋市長が行った所信説明の中から、市民の皆さんの生活に関わりの深い内容を抜粋してお知らせします。
■はじめに
新市が誕生してから本年10月1日で20年を迎えます。合併までにはさまざまな経緯があり、合併後も豪雨や豪雪の被害など、逆風下の際も怯(ひる)むことなく、8地域が一つとなって歩んできました。また、この20年で横手市も大きく変わっており、一例として、リニューアルオープンした増田まんが美術館や隣接する国の重要伝統的建造物群保存地区である増田の町並みなどに、市内外からたくさんの方々にお越しいただいています。加えて、横手市交流センター2Yぷらざや昨年オープンした横手市生涯学習館Ao‐na(あおーな)が拠点となり、横手駅前に新たな人の流れが生まれています。
基幹産業である農業では、園芸振興拠点センターの『よこて農業創生大学事業』で農業者の所得向上と担い手の確保・育成を図ってきました。雪害や水害などに見舞われながらも、日本一バランスの取れた複合農業産地を目指して取り組みを進めた結果、10年連続で県内1位の農業算出額となっています。
また、2Yぷらざに整備したBiz(ビズ)サポートよこてが、起業・創業を目指す方や県外企業のサテライトオフィスとして活用されているほか、企業誘致によりこの20年で所得の向上や就業場所の確保など強固な経済基盤の構築が進められ、若い世代の地元定着に寄与していると捉えています。そのほかにも、横手北スマートインターチェンジの整備で、利便性や生産流通機能が向上し、当市のみならず近隣市町村にとっても大きな効果をもたらしています。
今後も、どこの地域に住んでいても必要な住民サービスを受けられる環境を整え、横手が魅力あふれるまちであり続けられるよう、引き続き全力で取り組んでいきます。
■新たな施策などへの取り組み
▽渇水対策
渇水傾向により、市民生活や農作物の生育への影響が懸念されたため、7月31日に横手市渇水対策会議を設置しました。
特に水稲は穂が出る時期に最も水が必要であるため、渇水が及ぼす影響を考慮し、市は水稲を作付けしている農業者と農業法人などに対して、揚水ポンプの購入など渇水対策経費の一部補助を実施しています。引き続き農作物の生育状況を関係機関と共有しながら、今後の支援の必要性についても検討します。
▽横手の雪まつり『かまくら』の日程変更
毎年2月15日、16日に日付を固定しての開催でしたが、主催者である横手市観光協会は、令和8年から令和11年までの4年間、試行的に2月の第2金曜日、土曜日に変更する方針を決定しました。令和8年は2月13日、14日の開催となります。
横手の観光の象徴である『かまくら』の伝統行事としてのさらなる発展に向け、今後も関係団体との連携や市民の皆さんのご協力をいただきながら取り組んでいきます。
▽厚木市との友好都市締結40周年
神奈川県厚木市とは、主に産業面での交流の経緯などから、旧横手市が昭和60年5月24日に友好都市の締結をし、本年で40周年を迎えます。11月15日から30日までの16日間、厚木市で『横手市増田まんが美術館出張展示』を開催するほか、厚木市民の皆さんが『かまくら』へ訪問いただく予定と伺っています。
これまでの友好の歴史を振り返りながら、また次の10年に結びつくよう、さらに交流を深めていきます。
▽増田地域狙半内(さるはんない)地区における集会施設の整備
上畑温泉ゆ~らく・さわらびの営業停止後の地域活性化策について、地元自治会などと協議を続けてきました。
コミュニティ機能はもちろんのこと、生涯学習の研修会場として利用いただくほか、非常時に住民の一時避難場所としても活用できる施設を整備したいと考えています。
今後も地元自治会などとも協議しながら、令和9年度中の竣工を目指して準備を進めます。
■令和7年度事業などの進捗状況
▽2025大阪・関西万博『LOCAL JAPAN(ローカルジャパン)展』への出展
当市が出展した2025大阪・関西万博『LOCAL JAPAN展』は、7月28日から31日まで、EXPOメッセ『WASSE(ワッセ)』で開催されました。会場では、市内中学生12人の『かまくらキャスト』が主役となり、積極的に来場者とコミュニケーションを図って人気を呼びました。また、市の公式YouTubeの生配信で、市民の皆さんにも万博の臨場感を感じていただけたと捉えています。猛暑の中、会場を訪れた多くの皆さんに多大なインパクトを与え、横手市の存在と雪の魅力を世界に向けて発信することができたと感じています。
▽市制施行20周年記念式典および増田まんが美術館開館30周年記念式典
来る10月4日、横手市民会館で市制施行20周年記念式典と増田まんが美術館開館30周年記念式典を同時に挙行します。市政功労者の方々を表彰するほか、講演会や市制施行20年を振り返る映像の上映を企画しています。
この節目を市民の皆さんと祝うとともに、この先の10年、20年、100年に向かってさらなる市勢発展を誓い合う場にしたいと考えています。
▽市制施行20周年記念イベント『全力!よこて祭り』
9月6日、7日、横手駅周辺で開催の『全力!よこて祭り』は、サブタイトルを『つなぐ横手の未来、希望をカタチに』とし、市民オールキャストで創り上げる祭りをコンセプトに準備を進めました。多彩なステージショーのほか、イベントテーマソング『明日はきっといい日になる』の大合唱や、地域に根ざす『伝統の祭り』の競演をします。
出演者、作品出展者、応援メッセージ、スタッフに至るまで、すべて市民と応援市民の皆さんによるものであり、『地元横手の楽しさや魅力を、オール横手でカタチにしていこう』という未来へのメッセージが込められています。
▽横手市生涯学習館Ao‐na(あおーな)開館1周年記念イベント
横手市生涯学習館Ao‐naでは、本年9月に開館1周年記念イベントを開催します。9月14日は、当市出身の壇蜜さんにお越しいただき、記念セレモニーや朗読会を行います。
引き続き、幅広い世代の多様な学びの場となるよう努め、イベント開催などで横手駅周辺への人の流れを生み出すような取り組みを進めていきます。
▽「横手市子どもの権利宣言」の見直し
『横手市子どもの権利宣言』は、平成20年10月に策定され、今年度で16年目を迎えます。令和5年4月には『こども基本法』が施行され、子どもの声や権利をこれまで以上に尊重し、子どもが健やかに育つことのできる『こどもまんなか社会』の実現が、国の基本的方針として掲げられました。こうした社会的背景を踏まえ、今年度横手市こども計画の策定とあわせて取り組む、『横手市子どもの権利宣言』の見直しは、施策の方向性や理念の整合性を図るうえでも意義深いと考えます。
こうした機会を通じて、子どもたちの成長する権利が守られる地域社会が実現し、子どもたちが次世代を担い、次世代を託す立場へと成長することに期待しています。
▽シン・十文字拠点基本構想
6月17日に第1回基本構想策定委員会を開催し、委員の皆さんからシン・十文字拠点の将来像について、さまざまな角度からご意見をいただきました。
また、7月29日には地元の中高生が対象のワークショップを開催し、「将来がこうだったらいいな」という姿について、自分事として意見を出し合い、「自分たちのまちは自分たちで形作っていく」という真剣な姿を見ることができました。将来を担う若い世代のこのような姿に、非常に頼もしさを感じたところです。
引き続き多くの市民の皆さんのご意見を伺いながら、シン・十文字拠点の基本構想を策定していきます。
▽横手駅周辺整備
横手駅周辺の中心市街地で、地域のまちづくりの新たな担い手となりうる団体として、横手まちづくり株式会社を都市再生推進法人として指定しました。
なお、横手駅東口第二地区市街地再開発事業では、賃貸マンションと分譲マンションの基礎工事のほか、立体駐車場の鉄骨組立工事に着手しており、令和9年1月の完成に向け、順調に工事が進んでいると伺っています。
また、市街地再開発事業とあわせて進めている都市再生整備事業については、引き続き再開発周辺の歩道整備などを進めていきます。
※8月22日現在の市長発言内容
■今議会に提案された主な一般会計補正予算
▽一般会計補正予算額 20億2,220万円
主な補正予算の内容
・過疎地域における保育機能確保・強化のためのモデル事業…502万円
・スマート農業・農業支援サービス事業導入総合サポート緊急対策事業…1,759万円
・中学校各種大会派遣事業…753万円
▽補正後の予算総額 614億9,950万円
※追加補正予算を含みます
■市民の皆さまへ
大森浄化センターに関して、本来行うべき事務処理や管理監督がなされなかったこと、その結果、稼働が遅れていることにつきましては、すべて私の責任です。本議会において、私の10月分の給与を2割減額とする条例改正案を可決いただきました。
市民の皆さま、特に大森地域の皆さまにはご心配をおかけし、お詫び申し上げます。
令和7年9月定例会の所信説明は、市ホームページに全文を掲載しています【ページID】1012614
市報掲載用に一部表現を変更しています