- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県朝日町
- 広報紙名 : 広報あさひまち 令和7年10月号
“最期(さいご)”に備えて、伝えよう。
「痛いのは嫌だな」「意識がない状態になったら人工呼吸器はつけてほしくない」など、どのような最期を迎えたいか身近な人と話し合ったことはありますか。
ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とは、将来の身体の変化に備えて、医療およびケアについてご家族や友人、医療・ケアチームと話し合いながら〝もしも〟の際の意思決定を支援することです。
ここでは、朝日町立病院の髙橋潤院長の話を通じて、ACPが担う役割や大切さなどを紹介します。
■ACPを進めるときの主なポイント
・本人の人生観や価値観などをできる限り把握する
・本人や家族、親しい友人などと十分に話し合う
・話し合った内容を都度、文章にまとめて共有する
本人が自分の意思を伝えられない状態になる可能性もあるから、話し合いに先立って特定の家族などを“意思を推定する人”として前もって決めておくことも重要だよ。
■本紙連載コーナーでも継続して紹介
町の保健師が、健康に関する情報や町の取り組みなどを掲載している連載コーナー「健康あさひるばんざい」(今号では22ページに掲載)にて、12月号から定期的にACPについても紹介予定です。そちらもぜひ、ご注目ください。
■元気なうちに、自分が望む医療やケアについて家族や医療者と話し合う
自分らしい最期を考える―ACP(人生会議)のすすめ
ACPを町ぐるみで進めていきましょう。
ACPは最期まで自分らしく過ごすために大事なことです
朝日町立病院 髙橋潤 院長
皆さん、こんにちは。4月から朝日町立病院の院長を務めております髙橋潤です。私はこれまで医師として多くの患者さん、家族の方とお話をしてきました。その中で本当の思いは家族といえども共有できていないのではと感じることが多かったです。
皆さんは〝ACP(アドバンス・ケア・プランニング)〟という言葉を聞いたことがありますか?これは、将来もし病気や事故で自分の希望を自分の言葉で伝えられなくなった時に備え、元気なうちから医療やケアについて家族や医療者と話し合っておく取り組みのことです。
「まだ元気なのにそんな話は早い」と思われるかもしれません。しかし、いざという時は突然訪れるものです。事前に自分の思いや考えを整理し、大切な人と共有しておくことは、ご本人にとって安心につながるだけでなく、ご家族にとっても大きな支えになります。また、一度決めたからそのとおりにという訳でもありません。気持ちは変わります。ですから繰り返し行うことが大切だと考えています。
朝日町立病院では、町民の皆さんが最期まで自分らしく過ごせるよう、ACPを進めるお手伝いをしていきたいと考えています。今回から数回にわたり、この町報を通してACPの考え方や具体的な進め方をお伝えしていきます。どうぞ気軽に読んでいただき、身近な人と話し合うきっかけにしていただければ幸いです。
○意思決定の支援や方針決定の流れイメージ
引用元:厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」

