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- 自治体名 : 福島県広野町
- 広報紙名 : 広報ひろの 令和7年8月号
広野町は、東京都心から238キロメートル、仙台市から128キロメートル、福島県双葉郡の最南端に位置し、東西13キロメートル、南北7キロメートルの広さで、東に太平洋を臨み、西に阿武隈山系、いわき市と隣接しています。
阿武隈山系からなる浅見川をはじめ、北迫川、折木川の3本の川、二ツ沼や西の沢溜池などの池沼、源頼義とその長子義家の伝説がある五社山、城跡が残る高倉山など、四季折々に美しく彩られる豊かな自然を有していることに加え、全国でもミカンが栽培されている最北地の一つであることなどから「東北に春を告げる町」のキャッチフレーズで知られる温暖な町でもあります。二ツ沼総合公園内のトロピカルフルーツミュージアムでは、国産バナナ『綺麗』の栽培にも取り組んでいます。
明治22年に町村制施行に伴い、夕筋村、折木村、上浅見川村、下浅見川村、上北迫村、下北迫村の6カ村が合併し、人口3077人の広野村が誕生し、昭和15年の町制施行で人口4857人の広野町となりました。令和7年に町制施行85周年を迎えたところです。
広野町とエネルギーとの関わりは、明治初期の1870年代からの常磐炭田採掘地に始まり、昭和30年代まで常磐炭田の北端、人口約8000人の炭鉱の町として栄えました。その後、石炭産業は衰退しましたが、町の再生をかけた長期的な町勢振興策として企業誘致に取り組み、昭和46年に火力発電所の誘致を決定し、昭和55年に東京電力(株)広野火力発電所1号機が営業運転を開始しました。その後、広野火力発電所は6号機まで増設され、令和3年11月には二酸化炭素排出量の少ない高効率な石炭ガス化複合発電施設(IGCC)が運転開始されました。今後、世界の潮流からの新エネルギー社会の創出へ取り組んでいきます。
令和3年3月、東京五輪聖火リレーのグランドスタートとなった「Jヴィレッジ」は、平成9年に日本初のサッカー・ナショナルトレーニングセンターとして整備され、サッカー日本代表合宿等に利用されるなど、「サッカーの聖地」として大きな役割を果たしています。令和6年度からは全国高等学校総合体育大会(インターハイ)サッカー競技が開催され、「復興のシンボル」として、交流人口拡大、スポーツ文化の醸成に寄与しています。
広野町は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災によって地震、津波、原子力発電所事故による複合災害に見舞われ、全町避難を余儀なくされました。
町民の帰還に向けて、除染による環境回復、放射線による健康不安の払拭、インフラの復旧、商業施設の整備、医療福祉施設の整備、広野こども園、ふたば未来学園中高一貫校を始めとする教育環境の体制整備等、生活環境を一つ一つ整え、9割の帰還を成し得ました。令和5年9月30日には被災地復興の展望に向けて、〝広野町復興創生の日〟を制定しました。
ふる里の歴史、伝統、文化に対する誇りを胸に、本年を〝ふる里復興・創生「漸進の年」〟と位置付け、着実に歩みを進めながら、東日本大震災からの新たな時代の防災に強い〝安心・安全な共生のまちづくり〟に向け、新たな未来創造を展望してまいります。
令和七年七月二十四日
遠藤 智
■沿革
1889年(明治22年)4月1日 町村制施行に伴い広野村誕生
1940年(昭和15年)4月1日 町制施行で広野町となる
1971年(昭和46年)3月 東京電力(株)火力発電所の誘致決定
1972年(昭和47年)8月 役場庁舎完成
1980年(昭和55年)4月 東京電力(株)広野火力発電所1号機営業運転開始
1997年(平成9年)7月 Jヴィレッジがオープン
1999年(平成11年)10月 天皇皇后両陛下行幸啓
2002年(平成14年)3月 常磐自動車道広野IC開通
2006年(平成18年)4月 JFAアカデミー福島が開校
2011年(平成23年)3月 東日本大震災・福島第一原子力発電所事故発災
2011年(平成23年)4月 広野町全域緊急時避難準備区域指定へ
2011年(平成23年)9月 緊急時避難準備区域指定解除
2013年(平成25年)12月 東京電力(株)広野火力発電所6号機営業運転開始
2015年(平成27年)4月 県立ふたば未来学園高等学校開校
2015年(平成27年)10月 皇太子同妃両殿下行啓
2016年(平成28年)3月 公設商業施設「ひろのてらす」オープン
2018年(平成30年)3月 広野駅東側ロータリー完成
2018年(平成30年)6月 天皇皇后両陛下行幸啓
2019年(平成31年)1月 福祉のまちづくり宣言
2019年(平成31年)4月 広野こども園開園
2019年(平成31年)4月 Jヴィレッジ全面再開・Jヴィレッジ駅開業
2021年(令和3年)3月 広野町ゼロカーボンシティ宣言
2021年(令和3年)3月 東京2020オリンピック聖火リレー開催
2021年(令和3年)11月 広野IGCC発電所営業運転開始
2022年(令和4年)4月 広野町文化交流施設「ひろの未来館」開館
2022年(令和4年)10月 兵庫県たつの市との「日本一の童謡の里づくりのまち」共同声明
2023年(令和5年)4月 東町産業団地供用開始
2023年(令和5年)7月 「広野駅東ニュータウン」宅地造成工事竣工式
2023年(令和5年)9月 “広野町復興創生の日”制定
2023年(令和5年)10月 “ひろの童謡の日”記念日登録
2024年(令和6年)11月 JR広野駅新駅舎供用開始
2024年(令和6年)12月 「広野町マイクログリッド構築事業」着手
2025年(令和7年)5月 第36回巨木を語ろう全国フォーラム福島・広野大会開催
2025年(令和7年)7月 広野町制施行85周年記念式典