くらし 【特集】戦後80年 過去の教訓を未来へ 広島平和記念式典派遣事業報告(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県鹿沼市
- 広報紙名 : 広報かぬま 2025年10月号(NO.1301)
市では平成7年に「平和都市」を宣言し、平成9年から市内の中学生を広島に派遣し、戦争の悲惨さと平和の尊さを学んでいます。戦後80年となる本年も、20人の生徒が広島の地を訪れました。そこで生徒たちが何を感じてきたのかをご紹介します。
※生徒の感想文については一部編集して掲載しています。市ホームページでは事業概要、生徒たちの感想文、記録映像を公開しています。「市政情報」コーナーから「平和行政」のページをご覧ください。
■1日目 原爆ドーム、平和記念公園 平和記念資料館等見学
●原爆ドーム
派遣団は初めに原爆ドームの見学に向かいました。被爆した当時の姿のまま立ち続けるその姿に衝撃を受け、平和への思いを一層強くしました。
●平和の鐘
平和への願いを未来に伝えるため、「平和の鐘」を鳴らしました。この鐘の音には、犠牲者への追悼と、二度と戦争を繰り返さないという強い決意が込められています。
●平和記念資料館
▽生徒の感想
・教科書や映像だけでは伝わらない当時の出来事を体感しました。資料館では焼き焦げた服、「助けて」「水をください」と声が聞こえてきそうな、目を背けたくなる展示品が並んでいました。見たこと、学んだことを周りの人に伝えていくことは、今の私たちの大きな使命だと実感しました。
・原爆の熱により曲がってしまった鉄、被爆者の着用していた衣類、原爆が落ちた8時分で止まった時計など、今まで想像もできなかったことが本当にあったんだと改めて感じさせられる展示でした。
・広島で暮らしていた人々の様子、一人ひとりの姿が写真として残されており、原爆が投下されるその瞬間まで人々は普通に暮らしていたという事実を改めて実感しました。たった一発の爆弾で、そこにあったはずの平和は崩れてしまったのだと思いました。
■2日目 平和記念式典参列 灯ろう流し
●平和記念式典参列
▽生徒の感想
・地元の小学生が「平和への誓い」で、平和の大切さや今生きている私たちができること、80年前の広島について、とても堂々と会場全員に訴えかけていました。その姿を見て、私たちも出来ることを考え、行動していかなくてはいけないなと思いました。
●灯ろう流し
派遣団は、平和への願いを込めて、灯ろうにメッセージを書き入れました。夜の元安川に流れる灯ろうは美しくも幻想的で、派遣団は、世界の恒久平和を願い祈りを捧げました。
■3日目 原爆の子の像に折鶴奉納 平和学習受入プログラム
●原爆の子の像に折り鶴を奉納
原爆の子の像は、原爆で犠牲となった子どもたちの霊を慰め、平和な世界を願って平和記念公園内に造られました。派遣団は、市内の各中学校で折った千羽鶴を奉納しました。
■ヒロシマ平和学習受入プログラム
今年から参加したヒロシマ平和学習受入プログラムでは、被爆体験者による講話を受けたのち、全国から集った中高生と戦争や平和についてのグループディスカッションを行いました。被爆者の実際の声や同世代との話し合いは、原爆の悲劇や平和を願う気持ちをより実感するきっかけとなったのではないでしょうか。
●被爆体験者による講話
▽生徒の感想
・被爆者の方から、「怒りからは平和は生まれない、若者の一人ひとりの力を使えばきっと平和な世界は実現できる」という言葉があり、改めて、私たちが派遣事業で見て、聞いて、感じたことを多くの人に伝えないといけないと感じました。