くらし 特集 農作物・生活環境に被害を及ぼす生物 ~正体は何だ!?~(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県東松山市
- 広報紙名 : 広報ひがしまつやま 2025年10月号No.1152
これはアライグマの被害にあったスイカとトウモロコシの写真です。市内では、アライグマ・ハクビシン・イノシシといった野生動物による農作物や家屋等への被害が発生しています。今回の特集では、そのような野生動物の生態や、被害への市の取組、私たちができる対策方法についてお伝えします。
提供:野生生物研究所ネイチャーステーション 古谷益朗さん
※写真は、本紙をご覧ください。
【近年の年間捕獲頭数(東松山市内)】
※1位…熊谷市、2位…さいたま市
【主な被害内容】
・農作物被害…ブドウ、梨、スイカ、トウモロコシ、柿 等
・家屋被害…屋根裏侵入、ふん尿 等
・その他被害…ペット(メダカ、鳥)
【アライグマ・ハクビシンはこんな動物】
◆アライグマ(※特定外来生物)
・頭胴長…42~60cm
・繁殖期は春季に集中し、4~6月に3~6頭出産する
・手先が器用
・雑食性で、農作物のほか、昆虫や小動物を食べる
・木登りが得意
・前肢を使ってくりぬくように中身だけを食べる(スイカの場合)
◆ハクビシン(外来生物)
・頭胴長…40~70cm
・繁殖は通年で、2 ・3頭出産する
・バランス感覚にも優れていて、綱手先が器用 渡りも得意
・雑食性で、農作物のほか、昆虫や小動物を食べる
・木登りが得意
・顔を突っ込んで中身を食べる(スイカの場合)
※特定外来生物…外来生物(海外起源の外来種)であり、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるもの
【アライグマ・ハクビシンに対する市の取組】
本市では月・水・金曜日の午前中に専門の職員が捕獲の必要性を判断して箱わなを設置し、箱わなにかかったアライグマ・ハクビシンの回収・処分を行っています。被害にお困りの方は環境政策課までご連絡ください。
◆自分でわなを設置する場合は…
アライグマは、外来生物法に基づき策定された「埼玉県アライグマ防除実施計画」に基づき、県が主催するアライグマ捕獲従事者研修(※)を受講し、従事者登録することで捕獲が可能です。
ハクビシンは、鳥獣保護管理法に基づく狩猟免許の保持者でないと捕獲することはできません。
※本年度の研修会は9月下旬で締め切っていますが、応募状況により参加可能な場合もあります。参加を希望する方は、環境政策課までお問い合わせください。
【イノシシはこんな動物】
・成長すると牙が生え、雄は体重100kgにもなる
・時速45kmで走ったり、鼻先で70kgの物を持ち上げたりすることもある
・雑食性で、農産物のほか、昆虫や小動物を食べる
・基本的には臆病だが、慣れると大胆不敵になる。一度「餌場」と記憶した田畑は何度でも侵入する
・出産期は4~6月で年1回、4・5頭を出産する
◆イノシシに出会ってしまったら…
○慌てて走らない!
落ち着いて、速やかにその場を離れ、建物や高い場所に避難しましょう。
○挑発しない!
イノシシと出会っても、大声を出したり、物を投げたりしないでください。
○近づかない!
イノシシを見かけた場合は、イノシシから見えないところに移動してください。
【私たちができる野生動物の被害を防ぐ3つの対策】
(1)餌付け要因をなくす!
畑の隅に捨てられた野菜クズや収穫せずに放置された柿や栗などの果樹は、野生動物にとって貴重な餌となり、格好の餌場となることがありますので、摘果などの際は適切に処分しましょう。
(2)隠れ場所をなくす!
耕作放棄地や竹やぶなどは野生動物の隠れ場所になり、安心して生活できる場所になりやすいため、定期的な除草や剪(せん)定を行い、隠れ場所を減らすようにしましょう。
(3)防護柵は効果的に設置する!
防護柵は、動物の行動を理解して正しく設置しなければ、その効果は小さくなってしまいます。適切に設置し、定期的な見回りと点検を行うようにしましょう。