健康 [特集]年に1度の健康チェック(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県平塚市
- 広報紙名 : 広報ひらつか 令和7年6月第3金曜日号
食事や運動などの生活習慣が発症に深く関わる生活習慣病。日本人の死因の上位を占めるがん・心臓病・脳卒中も含まれます。多くは自覚症状がなく、目に見えないところで進行してしまう危険があります。早期発見・予防のために、特定健診やがん検診をうまく活用しませんか。
◆継続受診で健康効果をアップ
「自分では気付きにくい生活習慣病のリスクを、自分の力で改善できる段階で見つけられるのが、特定健診です」と話すのは市保険年金課の保健師、相原歩さん。
「受けたことがない方も健康に自信があって受けていない方も、健康状態を正しく知る第一歩にしてもらいたいと思っています」と続けます。
◇健康維持で医療費半減
勤め先の社会保険などに加入している40〜74歳の方は、毎年、定期健康診断などを受ける機会があります。同じように、平塚市国民健康保険(市国保)に加入している方(35歳の方を含む)が受けられるのが、市こくほ特定健診です。身長・体重、腹囲、血圧など、一定の項目を検査します。
市こくほ特定健診で検査するのは、全21項目(貧血検査・心電図・眼底検査の3項目は医師が必要とした場合だけ)です。「継続して受診する方は、体の変化に早く気付きやすいです。自ら生活習慣を見直したり、医師の判断で治療を始めたり、生活改善に向き合った方は結果が数値に出ています」と相原さんはデータを示します(表(1))。「健康をコントロールすることは、体だけでなく、医療費を抑えることにもつながります」と説明します(グラフ(1))。
・表(1)継続は数値に表れる
生活習慣病のリスクを判断する全ての検査項目を比較すると…
・グラフ(1)健診の受診回数と医療費の差(1人当たり)
◇受診する人増えてます
市こくほ特定健診は、実施医療機関に予約すればかかりつけ医でなくても受けられます。「市の受診勧奨や医療機関による患者さんへの呼び掛けなどの効果もあり、受診率は増えてきました」(グラフ(2))と話します。
しかし、年代別だと40歳代の男女の受診率は伸び悩んでいるそう。忙しいから行く時間がない、気を付けているから大丈夫、と理由はさまざま。「加齢によって体は知らないうちに変化しています。治療が必要になる前に、病気の発症リスクに気付くための健診です。見た目では分からない体の変化を毎年確認していくことが、未来の自分のためになります」。
・グラフ(2)こくほ特定健診 受診率の推移
◆自力で改善のチャンス
相原さんは、「健診で生活習慣病の発症リスクがあると分かった時は、自分の体のために生活習慣を見直すチャンスです。せっかく受けた健診を活用してください」と力を込めます。その機会をうまく活用してもらうために、特定保健指導があります。生活習慣の改善による予防効果が大きく期待できる方に向けた指導です。指導には生活習慣病の発症リスクがある方が対象の「動機づけ支援」と、リスクが高い方が対象の「積極的支援」があります。
「指導といっても厳しい目標を強要するようなものではありません。健康づくりの専門家と一緒に日常生活を振り返ります。アドバイスをもらいながら、無理なく続けられる目標と計画を立てられます」
◇専門家の力を活用して
例年、市こくほ特定健診を受診した方のうち、約1割が特定保健指導の対象になっています。しかし、その中で指導を受けて生活習慣の改善に取り組む人は約2割にとどまります。
「特定健診と特定保健指導がセットだと認識している方は少ないように思います」と相原さん。指導の案内を郵送しても反応がない方に電話をすると、「忙しい」の他に「自分で試していることがあるから、来年の特定健診の結果もダメだったら、来年受けてみる」という言葉が返ってくることも多いそう。「自己流で頑張り過ぎてしまったり、偏った情報を基に体に負担のかかる方法を続けたりしてしまうことがあるんです」と危惧します。「指導を受けた方の多くが、栄養・食事や身体活動(運動)の習慣改善を実感しています(グラフ(3))。すでに取り組んでいることがあったら、ぜひ専門家にそれが自分に合っているのか、正しい方法なのかを確認する機会にしてください」と呼び掛けます。
・グラフ(3)支援で改善を実感
運動習慣が元からあった方の場合、良い生活習慣はそのまま、食生活の見直す。無理なく続けられる計画を専門家が提案する。