くらし 〈連載〉アーバンデザインで読み解く小田原

魅力がいっぱいのまち、小田原。UDCOD(アーバンデザインセンター小田原)に所属する都市空間デザインの専門家が見る、小田原の特徴を教えてもらいます。

今回お話を聞いたのは…
東海大学建築都市学部 講師 野口直人さん

◆Vol.1 西海子を読み解くなら小田原文学館へ

《抜け道》
令和5年から西海子(さいかち)小路周辺地区のまちづくりを支援しています。地区の特徴をよく表し、私が一番好きな場所でもあるのが、小田原文学館です。
小田原文学館の庭は、開館中は自由に出入りできることに加えて、西海子小路から反対側の通りへ抜けられるため、日常的に「抜け道」として使われています。地区内では、他にも抜け道のような路地が入り組んでいます。抜け道は寄り道を誘発するので、まちを味わうような歩き方が自然とできて、まちへの愛着の形成につながります。
◎園児のお散歩コースにもなっている小田原文学館の庭

《まちの余白》
小田原文学館は街区公園でもあり、観覧のためだけでなく公園として訪れる人もいます。このように二つの顔を持つことで、関わる人が増え、親しみやすい場となります。
まちの中に余白(建物が建っていない部分)があると、人々の活動が生まれ、新たな顔を持ちます。かつて武家屋敷地だったこの地区は、敷地割りが大きく、貴重な余白が残されています。この余白を生かした新しい使い方ができると、さらに魅力が高まると期待しています。

【WEB ID】P38501
問い合わせ:都市政策課
【電話】0465-33-1758