- 発行日 :
- 自治体名 : 新潟県南魚沼市
- 広報紙名 : 市報みなみ魚沼 令和7年5月号
■女房役
南魚沼市長 林 茂男
新しい息吹、躍動への期待。心から待ち望んだ春を迎えました。私の近辺も新しく。巷間(こうかん)、「市長の女房役」と言ったりする副市長職を今年度から二人に。何の取り得もない私ですが、少し自慢できるのは人と出会う運の強さ。市長9年目、これまで「戦友」とも言うべき二人の副市長に支えられてきました。
一人は、岡村聡氏。平成28年、私の市長就任以来、昨年12月まで井口初代市長時代から通して、在任期間は12年の長きにわたり。職員への口癖は「凡事(ぼんじ)の徹底」。自身の仕事ぶりも全てにおいて手堅く、沈着冷静にして温厚篤実(おんこうとくじつ)。これほど職員から慕われた先輩はいないのではないか、と思います。背高く背筋は常に伸び、風貌は戦後史の白洲(しらす)次郎のような端正さ。林市政の最大課題の一つ、混迷した新ごみ処理施設の道がつくまで、と無理を押して共闘(きょうとう)いただきましたが、ついに成った立地集落との建設合意を見届けての円満退職。他市町が羨む名副市長でした。
もう一人は現在、市の病院事業管理者である外山千也氏。就任間もなく、私は「このままでは市の病院事業は立ち行かなくなる」と恐怖感を覚えていました。許容を超えた赤字経営。その改善の前提となる常勤医師の確保問題。ど素人ながら一筋縄にはいかない難題に取り組んでいる中で出会ったのが、全国有数の医療団体の常務だった外山医師でした。なんと前職を投げて当市に。医療改革の旗手として特命副市長に。氏の馬力と陣頭指揮がなければ、あの新型コロナの波を越えるなどできなかったはずで、自治医科大学の寄附講座の実現に続く、多くの医師確保や病院群の再々編は進み、経営は奇跡的な回復に転じています。
そして、今春から着任した二人。南雲貢氏は総括副市長として市政全般を。もう一人の特命副市長として私が招聘(しょうへい)した小髙直弘氏は、名鉄グループ、名鉄観光の特別顧問の職を辞され名古屋から当市に。民間の視点で山積する市政課題に共に立ち向かってもらいます。人生意気に感ず。その共鳴の関係が市政の安定を左右するとまで思う二人の新たな女房役と一心同体で。