くらし DV防止対策の新たな地平(富士川町 男女共同参画推進委員会)

配偶者や恋人からの暴力、いわゆるDV(ドメスティック・バイオレンス)は、深刻な人権侵害であり、決して許されるものではありません。近年、DVに関する法整備が進み、相談体制の充実や被害者支援の強化など、一定の成果がみられます。しかし、DVは後を絶たず、むしろ深刻化しているのが現状です。

DVの背景には、男女の固定観念や権力関係の歪み、経済的な問題、ストレスの蓄積など、複雑な要因が絡み合っています。被害者の自立支援や加害者の更生支援など、さまざまな取り組みが必要とされています。

特に重要なのは、一人ひとりの意識改革です。男女が対等な関係を築き、互いの人権を尊重し合うことが何より大切です。しかし、依然として男性優位の価値観が根強く、女性に対する偏見や差別意識が存在しています。

また、DVは「家庭内の問題」とされがちですが、これは間違いです。DV被害者は孤立しがちで、周囲の無理解や偏見に苦しむことも少なくありません。家庭や職場、地域社会全体で、DV問題に関心を持ち、支援の輪を広げていくことが求められます。

そのためには、DVに関する正しい知識の普及と、被害者への偏見をなくすための啓発活動が重要です。特に、若年層への教育は大きな意味を持ちます。健全な交際関係の在り方や、男女平等の意識を醸成することで、将来のDV予防につなげていくことができると思います。

また、被害者の自立支援も重要な課題です。経済的な自立や住居の確保、心のケアなど、被害者一人ひとりのニーズに寄り添った支援が求められます。そのためには、関係機関の連携強化や、専門家の育成にも取り組まなければなりません。

一方で、DVの加害者に対する更生支援の充実も欠かせません。怒りや支配欲求のコントロールができるよう、カウンセリングなどのプログラムを提供し、加害者の更生と再発防止を図る必要があります。

DV問題の解決には、一人ひとりが意識を変え、行動を起こしていけば、必ずDVのない社会を実現できるはずです。この機会に、私たち一人ひとりができることから始めていきましょう。