- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県御殿場市
- 広報紙名 : 広報ごてんば 令和7年3月20日号
■捜査の最前線から
特殊詐欺の犯罪手口について、捜査の最前線に立つ御殿場警察署の山田署長に話を伺いました。
◇現在の特殊詐欺の傾向
現在、架空請求詐欺や還付金詐欺、交際あっせん詐欺など、犯罪手口が多様化していますが、もっとも多いのは家族や行政職員を名乗る特殊詐欺です。
中でも、警察官を騙かたる特殊詐欺に引っ掛かってしまう方は多い傾向にあります。
連中は、「警察官」や「逮捕」という強い言葉を繰り返し使い、相手を思考停止状態に陥れるのを狙ってきます。
実際の警察官は、言葉を選ばずに言うと、目立たないようにコソコソ捜査をします。電話で堂々と警察官を名乗り、あれこれ聞いたり指示してくる電話は詐欺を疑っていただいて構いません。
◇分業する詐欺集団
裏社会にも、人材派遣や個人情報の売買など、高度に分業化したビジネス体系があります。
闇バイトを通じて、被害者と金のやりとりをする「受け子」や「出し子」の斡あっ旋せんをする「リクルーター」。
氏名や世帯構成、はてはガレージに停めてある車の車種など詳細な個人情報を提供する「情報屋」。
連中は相互に補完し合い、ターゲットに襲い掛かります。
実際に金を受け取りに行くタイプの詐欺であれば、指示役が受け子にターゲットの情報を流し、詐欺の進捗などを共有しながら、電車やタクシーなどの公共交通機関を使って出張型の詐欺を行う。
そのため、例えば小山町内の方に詐欺電話を仕掛けたなら、次は御殿場、裾野へと下っていく。
こういったやり方が連中にとって効率がいいのです。
現在、御殿場警察署管内で詐欺電話が掛かった場合、市と連携して同報無線で注意を呼び掛けています。
近くで詐欺電話があったのなら、あなた自身にも掛かる可能性は大いにあります。
◇誰しもが被害者になりうる
裏社会のネットワークを通して、騙しやすい地域・騙されにくい地域の情報は共有されています。
御殿場警察署管内に住んでいる皆さんは、優しく、真面目で、責任感のある方々です。
だからこそ、「警察官」などを名乗る電話に真面目に応じてしまう傾向があります。
現代は、年齢に関係なく誰しもが詐欺の被害者になり得る時代です。
少しでも不審に感じたら、ひとりで抱え込まず、すぐに警察に連絡してください。