くらし 【特集】保護司-活動の先に- (6)

【V これから】
◆社会を明るくするために

《市民の声》
罪を犯した人や、その人たちが地域社会で暮らすことについて、更生保護や保護司のことを学んだ人、刑務所などの被収容者の作品を見た人はどのように感じているのでしょうか。
ここでは一例として、保護司についての授業を受けた中学生のアンケートと、罪を犯した人の作品展示を観た来場客の感想の一部を紹介します。

◎中学生アンケート
今年3月に原里中学校で行われた保護司による特別授業の終了後に、アンケートをとりました。授業を受けた当時の3年生112人から寄せられた結果を紹介します。

Q 罪を償った人が社会に出た後の地域での更生についてどう思いますか
・地域全体で更生を応援するべき 98%(106人)
・地域で更生の応援は出来ない 2%(2人)

Q 罪を償った人があなたの近所に住むようになったらどう思いますか
・受け入れる 39%(42人)
・受け入れない 8%(9人)
・どちらでも良い 52%(56人)

※四捨五入のため、100%になりません。

◎アートフロムプロジェクト
昨年7月の強調月間に合わせ、市内で「アートフロムプロジェクト」が初開催されました。この事業は、被収容者に自己肯定感や地域とのつながりを実感させることで、社会参画・復帰への意欲を高めるプロジェクトです。会場には、静岡刑務所と事業所の官民協働で、静岡刑務所の被収容者の富士山などのイラスト、書道、短歌などが展示されました。
会場に設置した、来場客が任意で感想を書ける自由記載帳には、更生をし、再び社会の一員として生きていくことを望む声も寄せられました。
本プロジェクトは、今年も開催します。ぜひご覧ください。

◎アートフロムプロジェクト 今年の開催概要
期間:7月28日(月)〜8月8日(金)
会場:市役所本庁舎1階 市民ホール

《Q あなたはどう考えますか》
◎保護司の活動の先に
様々なデータや保護司、保護司の支援を受けた人、保護司を取り巻く人たちの言葉から、安全・安心な地域社会の実現のためには、過ちを犯した人が再び同じことを繰り返さないよう、保護司などが中心となり、地域社会の中で立ち直りを支えていくことが重要だと分かりました。
一方、その過ちによって被害を受けた人がいる場合は、被害を受けた人の支援が重要であることは言うまでもありません。安全・安心な社会づくりにつながるとは言え、被害を受けた人の支援を差し置いて、罪を犯した人の更生や将来のために制度があるのではありません。更生保護の分野でも、被害者の心情や意見を聴き、処遇に生かしたり、被害者への情報提供や相談・支援などを行ったりしていますが、支援の内容としては充実しているとは言えないという意見もあります。
そのような意見があることを十分に考慮した上で、過ちを犯した人を社会の隅に追いやり、見えなくするのではなく、保護司の活動を通して時にはスポットライトを当て、私たち自身も注目をしていくことが、社会を明るくするための近道の一つのように感じます。
保護司の活動の先に見える社会について、あなたはどう考えますか?

【TOPIC 褒章を受章】
今年の春の褒ほう章しょうで、勝又そのさんが、藍綬(らんじゅ)褒章を受章しました。
藍綬褒章は、国や自治体から依頼された公共の事務に尽力した人などに天皇陛下から授与されます。
勝又さんは平成16年5月から20年以上保護司として活動し、令和5年度からは北駿地区保護司会の会長職などを歴任しています。

【TOPIC 活動寄金へのご協力を】
非行を犯してしまった少年などの更生援助のための経費や、更生保護団体の活動助成として利用される「社会を明るくする運動活動寄金」へのご協力をお願いしています。詳しくは、広報ごてんば6月20日号に合わせて各世帯に配布したチラシまたは各自治会で回覧している文書をご確認ください。

▽参考にしたサイト
全国保護司連盟

問合せ:社会福祉課
【電話】82-4136