- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県御殿場市
- 広報紙名 : 広報ごてんば 令和7年9月5日号
■本人の声
– 認知症カフェ(ふれあいカフェかわしまた)を訪問-
地域住民に開かれ、誰でも参加できるのが認知症カフェです。 7月20日に行われたのは「ふれあいカフェかわしまた」。日差しが降り注ぐ1日でしたが、グループホームかわしまたの中庭には、日差しよけのパラソルや冷たい飲み物が揃い、囲碁の相手にと地域の人も駆けつけるなど、賑わいを見せていました。話を聞いたのは、施設に入所している女性。日常生活のことについて伺いました。
◇優しい人に囲まれ
施設に入ることになり、初めて家族から離れました。不安もありましたが、ホーム長を始めスタッフ全員がとても優しく、よく声を掛けてくれたり、手を握ってくれたりして嬉しいです。和気あいあいとしていて、スタッフ全員で輪を作ってくれる雰囲気の中暮らしています。
◇「大丈夫だよ」と伝えたい
時々、離れて暮らす娘が心配して電話をしてくれます。娘の心配の種は、私が他の人に強く当たっているのではないかという点(笑)。新しい人が入ってきた時には自分から声を掛け、困ったことがあれば何でもスタッフに相談していいんだよということをお伝えしています。私にとって娘は心強い存在ですが、心配しなくて大丈夫だよと伝えたいです。
◇前向きに暮らす
私の趣味は吊るし雛です。市内だけではなく、以前は都内で縫い方などを教えていたこともあり、生徒もたくさんいます。吊るし雛を通して、施設内外の人たちと交流をすることが今の目標の1つです。
■家族の声
– 認知症介護家族の会を訪問-
ある時には認知症の人の家族同士で。ある時には家族とスタッフで。当事者同士や専門家にしか分からない「あるある」や、様々な悩みを気軽に話せる場が「家族の会」です。 7月に参加していたのは、ご家族が認知症だという女性。ご家族との暮らしや家族の会について伺いました。
◇なるべく穏やかに
本人に、こちらの想いが伝わりにくいこともありますが、なるべく穏やかに接することを心掛けています。そして「おはよう」「いただきます」のあいさつなど、当たり前のことを当たり前にやっています。時には「乾杯してみよう」など、普段はやらない事をすることもあります。この前初めて「いつもありがとうね」と言われました。
◇伝える相手が大切
友人などに家族のことを喋る時はどうしても面白く喋ってしまい、愚痴などを言うことはためらってしまいます。自分の想いを伝える相手が誰かということはとても重要です。家族の会のような事情を分かっている人が相手だと、自分の素が出せます。「あースッキリした」という気持ちになり、この会があって良かったなと思います。
◇1人でモヤモヤするより
家庭内では、日々状況も変わり、大変なこともたくさん起こります。何か1つだけで解決するということはありませんが、道が開けてくることもあります。もし同じような方がいたら、1人でモヤモヤするよりも、当事者同士や専門スタッフと共有してみませんか。
