- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県東浦町
- 広報紙名 : 広報ひがしうら 令和7年7月号
ちょっと話題の町出身・町内で活躍している方を政策課で発掘し、2か月に1回紹介します!
●消防団長 鈴木誠也さん
○プロフィール
22歳のとき東浦町消防団に入団し、現在まで30年以上消防団として活動。令和6年にはこれまでの長年の活動が認められ藍綬褒章を受章。現在は建設会社を営みながら消防団長として活動する。
東浦町には消防団がある。消防団とは、町内在住または在勤の方で構成される有志の団体。消防活動を生業とする消防署員とは異なり、団員は本業を持ちながら消防団に所属し、メールなどで招集がかかると自分の意志に基づき消防活動に参加する。火災が発生すると、直接消火作業を行う消防署と連携して、初期消火や現場周辺の交通整理などを行う。また、防災訓練といった地域の防災意識向上のための活動も行うなど、地域防災を支える重要な存在である。
鈴木さんの入団のきっかけは、家業の建設会社で働いていた22歳のとき、近所の消防団員の誘いを受けたことだという。
「消火栓がない現場では、消防署の水槽車に水を補給したり、ホースを必死に伸ばしたりする。また、火種を消そうと現場を触りすぎると、出火原因がわからなくなることもあり、作業の加減が難しかった」と、現場ごとの異なる対応に苦労したという。
入団して10年所属し、定員オーバーで一時離れたが2年後に復帰。協力団員、副団長を経て令和5年から57歳で団長に。「団員が高齢化してきており、役職の長続きが難しくなる」と、懸念を語った。
消防団の課題として挙げられる団員の高齢化。「台風などの災害時は巡視のために出動。定期的な訓練のほかに、お盆や年末年始などに、地域の見回りで活動が多い」と、多忙さが若い人の参加を妨げていると鈴木さんは指摘。多忙なイメージを覆し、各団員の私生活を尊重するため、現場への出動人数やイベントの日程を調整するなど、時代の変化に合わせ消防団のありかたを見直した。団員からも前向きな声が聞こえ、鈴木さんは調整の必要性と手ごたえを感じたという。
地域の防災意識について「最近は災害も多いが、訓練への参加者も多くなっており、良い傾向だ」と前向きに捉えている。さらに防災意識を高めるため「町のイベントなどで子どもたちが来てもらえるような工夫をして、消防に触れ、消防に興味を持ってもらえる機会を増やしたい」と話す。
最後に「自分の命は自分で守る。我々消防団や消防署は、あなたの命を守る補助だと思って自分で行動することを忘れないでほしい」とメッセージを送った。