文化 武豊 六蔵(むつくら)めぐり

醸造の郷として知られる武豊町には、住んでいても知らないことが多い六つの蔵元があります。そんな蔵元をめぐって、こだわりやおいしさの秘密についてお話を伺います。

【KURA 蔵 3】カクトウ醸造(じょうぞう)
◇シンプルだけど深い味わいを…
「うちはまだまだ、たったの106年しかやってなくて…」と、冗談まじりに話すのはカクトウ醸造三代目蔵元・永田藤左工門(ながたとうざえもん)さんと、息子の尊士(たかし)さん。けれど「まだまだ106年」とは!!武豊町の醸造文化が積み重ねてきた深い歴史を感じずにはいられません。
カクトウ醸造のこだわりは、国産大豆、天日塩、そして武豊町の水を使い、武豊の風土を生かして木桶でじっくり熟成させる天然醸造。材料は大豆と塩のみ。同じ蔵の中でも木桶の置き場所によって、味わいが微妙に異なるのだそうです。
「シンプルに、生活に寄り添った良いものを作り続けたいですね」と。その言葉は軽やかですが、「シンプルに良いもの」を100年以上守り続けることは決して容易なことではありません。

◇給食で武豊の味をこどもたちに
蔵には近くの小学生たちが校外学習で訪れます。「武豊町のみそ・たまりを食べている人は?」と尋ねても、手を挙げる子は少なめ。そこで、もっと手軽に地元の味を使ってもらおうと、小さいサイズの商品を開発しました。
実は、武豊町の小・中学校の給食では町内の蔵のみそ・たまりが使われております。5つの蔵の味が順番に登場して、こどもたちは知らず知らずのうちに武豊の味を日々楽しんでいるのです。
みなさんへのメッセージをお願いすると、「蔵元というと敷居が高く感じられるかもしれませんが、地域に寄り添い、これからも気軽に食べてもらいたい」と笑顔で答えてくれました。
カクトウ醸造のみそやたまりのまろやかさは、このお二人の温かな人柄が隠し味なのかもしれません。

「今回はこちらの蔵を紹介するよ!」

※詳しくは本紙をご覧ください。