- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県四日市市
- 広報紙名 : 広報よっかいち 10月上旬号NO.1678
■ステップオレンジの活動
《園芸・畑班》
園芸の得意な認知症当事者と認知症フレンズが、ステップ四日市の敷地内の畑を管理しています。土を耕すところからはじめ、畝(うね)をつくり、季節に応じた野菜や花を育てています。大切に育てた野菜は、自分たちで調理して食べるなど、みんなで楽しみながら活動をしています。
また、認知症に対する理解と関心を高めるために、畑で育てた花を寄せ植えにして民間企業や店舗、施設などへ直接手渡し、活動の内容を伝えています。
▽活動に関わった人のお話を聞きました!
認知症に関心があり、活動に参加するようになった
仁保(にほ)さん
「園芸・畑班は、認知症当事者も含めたメンバーが役割分担をして、それぞれができることをしています。認知症の当事者が主体となって、楽しみながら一緒に活動をしているので、お手伝いをしているという感覚はありません。認知症にマイナスなイメージを持っていましたが、活動への参加を通して、認知症になってもできることがたくさんあることを学びました。今後は自分の住んでいる地域でもステップ四日市の周知や活動紹介を行い、活動の輪を広げていきたいと考えています。」
園芸・畑班が製作した門松を受け取った
三重トヨペット株式会社四日市新正店
店長 水野さん
「以前は認知症について詳しく知らない社員が多かったんですが、会社が活動に携わったことがきっかけで社員の意識が変化し、今では関心を持ち自分で調べる社員もいます。すてきな取り組みなので、会社として喜んで協力をしています。活動を通して、地域貢献をしていきたいと考えており、今後もできる範囲で協力していきたいと思います。民間企業が発信するからこそ届く層があると考えており、「どうして車屋に認知症のポスターが?」という違和感が関心につながることを期待して、店頭にポスターの掲示などもしています。」
《認知症サポーター養成講座班》
学校や図書館、企業などで、認知症当事者と認知症フレンズが認知症サポーター養成講座を開催しています。認知症になっても、前向きに暮らしている人がたくさんいることや、認知症の知識を持ち、少しの工夫や気遣いで、認知症当事者や家族を支援できることを受講者に伝えています。
▽養成講座に参加した人のお話を聞きました!
認知症キッズサポーター養成講座のチラシを見て参加した眞野(まの)さん親子
「家族が認知症になったら、特に親だと強く言ってしまうこともあると思います。こちらが怒ってしまうと怒り返されるし、優しく接すればその分穏やかになるということを今回の講座を通して改めて学びました。」
「認知症という言葉を聞いたことがあったけど、よく知らないから講座に行ってみたいと思いました。家の近くに認知症のおばあちゃんが住んでいるけど、今日の話を聞いて、困っていたら助けたいと思いました。」
認知症当事者として登壇したステップオレンジのメンバー北原さん
「自分が認知症と診断を受けるまで、認知症について全く知識がなかったです。自治体だけでなく、多くの地域住民やボランティアの人たちが協力し、認知症に関わる取り組みや活動をしていることを初めて知ったときは驚きました。
ステップオレンジの活動を通して認知症に対する自分の考え方も大きく変化しました。人前で話をすることはあまり得意ではないですが、さまざまな人が動いてくれて、自分のささやかな経験をみんなの前で発表できることはありがたいです。」
▽他にもこんな活動をしています
・図書・読書班
本が好きな認知症当事者や認知症フレンズが選んだお薦めの認知症関連図書を地域へ発信しています。
・ロバ作り・クラフト班
認知症啓発グッズを作成し、地域のイベントで配布しています。
・認知症カフェ班
地域の認知症カフェが、認知症当事者の安心できる場となるように話し合ったり、活動したりしています。
●この特集についてのお問い合わせ・ご意見は
高齢福祉課
【電話】354-8170【FAX】354-8280