くらし ひきこもり支援~ 地域で安心して暮らすために~

「ひきこもり」は、さまざまな要因が絡み合うことで、ストレスが大きくなって心身が疲れ、どうにもならなくなったときに身を守る方法のひとつです。
きっかけはさまざまで、何がきっかけだったかよく分からないこともあります。
誰にでも起こる可能性があり、ひきこもりについて正しく理解してくれる人の存在や、安心・安全な環境が、本人や家族の支えになります。
今回は、ひきこもりの当事者や、地域で安心できる場を運営している人たちのお話をご紹介します。

■はじめの一歩(1)
▽「ひきこもり」について相談できる窓口があります
専任の相談員がお話をお伺いします。
日時:平日午前9時~午後4時45分(年末年始は除く)
※右記相談受付フォーム(24時間入力可)からも相談できます。
※詳細は本紙をご覧ください。

▽「守山市ひきこもり支援ガイドブックここから」をご活用ください
本人や家族、地域や支援機関がつながるための情報を掲載しています。
市HPで閲覧可。生活支援相談課窓口でも配布しています。

▽就労に向けた支援をしています
ひきこもり状態から一歩踏み出すきっかけとして、就労体験や就労に向かうための生活リズムの整えなど、一人ひとりの状態に応じた支援を行っています。
※就労の場や体験先としてご協力いただける事業者を募集しています。ぜひ、生活支援相談課へご連絡ください。

問合せ:生活支援相談課
【電話】582-1161

■ひきこもり支援の手を離れて同じ境遇の人のピアサポーターをめざしています
父の急逝と交通事故の大けが、立て続けのショックで、32歳の時から6年間、ひきこもりの生活をしていました。
家を出たくない、人に会いたくない。心配して誰かが訪ねてくると、屋根を伝って逃げました。「父と同じ糖尿病で僕も死ぬんや」そう思い込んでいました。実際、死にたいとも考えていました。
ある時訪問に来た市職員に勧められ、身支度をし、血液検査を受け、父と同じ病気ではないと分かってから、外へ出られるようになりました。今は、短期ですが仕事にも就けるようになりました。
次は経験者として、精神障害のある人やひきこもりの人など、同じ境遇の人の助けになれるよう、ピアサポーターの講習を受ける予定です。

■地域や施設と連携しながら支えたい 困難を抱える人のユニバーサルな働き方
ひきこもりをはじめ、さまざまな困難を抱える人の居場所づくりと団体の活動拠点に、令和4年に「カフェインク」をオープンしました。最近は、キッチンカー「もりやま地場マルシェ」号を活用して、市内の作業所の商品や弁当の移動販売などをしています。
弁当作りやキッチンカーの店員は、困難を抱える人。1日15分でも、自分が社会の役に立っている実感を得ながら働けるユニバーサル就労で、社会参加の練習をしています。最初は30分から、1年をかけて週3回2時間働けるようになった人もいます。
行政や福祉施設、地域、市内のいろいろな所と連携して、「カフェインク」が、というより市域全体で、優しい社会に発展していければと思います。

■はじめの一歩(2)
▽畑でひと息つける時間を一緒に過ごしませんか
小さな畑で、畑作業やご飯作りを通じた交流の場を開いています。
この活動は、仕事をしていない人や、自宅にこもりがちな人を対象にしたものです。
「誰かと話したい」「少し外に出てみたい」――そんな気持ちを大切にしています。
畑作業や料理が初めてでも心配いりません。
指導員のサポートのもと、ゆっくりと自分のペースで参加できます。
土にふれたり、一緒にご飯を作ったりしながら、少しずつ日常に心地よい変化を感じていただけたらと思っています。サポーターも募集中です。関心のある人は、ぜひご連絡ください。
日時:木曜日午前10時〜正午ごろ(月3回)
場所:下之郷3丁目(詳しくは、お問い合わせください)
主催:もりやま食のまちづくりプロジェクト
連携:守山市社会福祉協議会

問合せ:Everybody農s(エブリバディノウズ)!代表 今井由莉(いまいゆり)
【E-mail】[email protected]

▽小さな畑の自然の恵みに大きな力 福祉、農、食が循環する支援の輪
サラリーマン時代に週末農業を経験して、土にふれる魅力を知りました。現在は子育てをしながら、食と農を通じた地域活性化や食育の推進などに取り組む「もりやま食のまちづくりプロジェクト(食まち)」の委託を受けて、私たちサポーターとひきこもりの参加者が一緒に野菜を育てています。
土にふれることは、癒やしやストレス解消になります。野菜の成長や収穫は、参加者の大きな喜びや「頑張った実感」につながります。小さな畑だけど、収穫した野菜は参加者のお土産。余剰分は「食まち」を通して、市内の子ども食堂などを支援することも考えています。ひきこもりから脱却して就農につながる人もいるといいますし、小さな畑でも、もたらす自然の恵みには大きな力が宿っています。福祉と農、食がつながり、社会復帰のきっかけになればと思います。

問合せ:農政課
【電話・有線電話】582-1130