- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府高槻市
- 広報紙名 : 広報たかつき(たかつきDAYS) 令和7年10月号 No.1451
◆はちみつができるまで
1 蜜を集める
みつばちが花から蜜を吸い、体内に貯めて巣へ持ち帰る。体に花粉をつけながら次の花へと移動することで、植物の受粉を助けることにも
2 はちみつに変える
巣に戻ると仲間のみつばちに口移しで蜜を渡し、また蜜源へ。みつばちの唾液に含まれる成分が混ざることで、花の蜜がはちみつへと変化する
3 蓋(ふた)をする
蜜をもらったみつばちは六角形の巣穴に詰めていく。羽であおいで蜜の水分を徐々に蒸発させ、体から分泌した「ミツロウ」で巣に蓋(蜜蓋(みつぶた))をする
4 採蜜する
みつばちがはちみつを保存した巣板を巣箱から取り出し、蜜蓋を切り取る。巣板を遠心分離機に入れてぐるぐる回し、はちみつをしぼる
5 こし器にかける
しぼった蜜はこし器にかけて、蜜蓋や巣の破片を取り除き、びん詰め。酵素や香り、栄養がそのまま残った「生はちみつ」のできあがり
▽ご注意
・1歳未満の乳児にははちみつを与えないで。乳児ボツリヌス症を引き起こすおそれがある。
・非加熱のはちみつにはアレルギー反応を起こす花の花粉や植物の成分が含まれているので、アレルギーを持つ人は注意。
Beekeeper’s Interview
■みつばちが教えてくれた高槻の豊かさ
高槻の自然の豊かさの結晶ともいえるはちみつ。
みつばちに愛情をたっぷり注ぎながら高槻ではちみつをつくっている3人の養蜂家に、養蜂を通じて気づくことや、現在の思いなどを聞いた。
〔Interview 01〕
◆自然とふれあう養蜂が子どもの成長にもつながっている
上野真知子さん(SANDY.HONEY)
受粉のために家族が養蜂をはじめたのですが、それまではちみつが苦手でした。でも、初めて採れたはちみつをおいしいと感じたことに驚き、この感動を他の方にも伝えたいと思ったのが約10年前です。育休中で、このまま子どもに寄り添えるように仕事を変えようと決めました。子どもは植物に詳しくなり、実がなるのはみつばちのおかげということも知っています。私が教わることもたくさん。私自身、周囲の蜜源調査に行くたびに環境の豊かさに気づかされます。みつばちの視点に立つと見える世界が変わり、日常のなかに“特別”が詰まっている喜びを実感しています。
○お気に入りの食べかた
サラダにはちみつとオリーブオイル、塩を順番に回しかけて、混ぜながら食べるとおいしいですよ。
〔Interview 02〕
◆花があってこそのはちみつ 豊かな自然環境を大切にしてほしい
井田雄三さん(井田養蜂)
定年退職後にはじめ、もう20年以上になります。当時、高槻で養蜂をしていたのは私だけ。なかなか教科書通りにはいかず、試行錯誤を重ね、みつばちの習性を知ってその状態を知る、つまり「会話をする」ことが大切だとわかってからは、府の品評会で賞をいただくこともできるようになりました。みつばちは個性があってかわいい。好きだから苦にならないし、幸せを感じます。この場所は草木が多く、蜜源の豊かさは想像以上でした。最近は気候変動や環境の悪化を心配しています。花が咲き、みつばちが飛び回れる豊かな自然を大切にしてほしいです。
○お気に入りの食べかた
ヨーグルトにかけて毎日食べています。
〔Interview 03〕
はちみつを通じて高槻の豊かさと価値を伝えたい
上田彩さん(Queen of Queens)
生きものに詳しい息子からみつばちの賢さを聞いて興味を持ち、調べるうちに養蜂をしたいと思うようになりました。ブレイクダンスのチームメイトの縁で京都の養蜂家さんのもとで学ぶことができ、高槻ではじめたのが4年前です。はちみつでダンサーの役に立てればと、世界で活躍するダンサーの遠征やイベントへの提供などもしています。今改めて思うのは、生まれ育った高槻の環境の価値です。都会なのに遊べる川があったり、はちみつが採れる豊かな山があるまちはなかなかありません。いつか高槻が「はちみつのまち」と呼ばれるようになればいいなと思います。
○お気に入りの食べかた
オリーブオイルと酢を混ぜてカルパッチョなどにかけています。粒マスタードや醤油と和えれば肉類にも。
●「SANDY.HONEY」のはちみつ
「HAIRY VETCH」はクセがなく、はちみつが苦手な人にも好評という。「POLYFLORAL」は百花蜜。採蜜時期により番号が違う
・イベントで販売。市内のカフェに置くことも
●井田養蜂の「北摂の自然の恵み はちみつ」
百花蜜を中心に、さまざまな色や味、香りを楽しんでほしいと、さくら蜜、レンゲ蜜、アカシア蜜、ゆりの木蜜、ハゼ蜜も。サイズも大小さまざま
・安満遺跡公園や農風館、スーパーで販売
●「Queen of Queens」のはちみつ
採蜜時期に応じて瓶詰めされる百花蜜「2025年 初夏の蜜No.2」「同No.3」。「桜蜜」は、花期が長かった今年初めて採れた貴重なはちみつ
・知人のカフェやオンラインで販売
