くらし どんな動物??雲南市にすむニホンザル(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 島根県雲南市
- 広報紙名 : 市報うんなん 2025年11月号
雲南市ではニホンザルによる被害が増加傾向にあります。適切な鳥獣被害対策を実施するために、まずは「相手のことを知る」ことが大切です。基本的な知識を身に付けて、被害に遭わない対策を心掛けましょう。
■01 ニホンザルってどんな動物?
「ニホンザル」と聞いて皆さんはどんなイメージを持たれるでしょうか。
「凶暴で怖い」、「芸をするかわいい動物」、「頭がいい」、「畑を荒らす厄介者」などなど。
人によって思い浮かべるイメージはさまざまだと思います。
ニホンザルは、20頭から100頭程度で構成される群れを作って生活をしている動物で、行動圏(遊動域)と呼ばれる特定の範囲内を動き回っています。冬眠はせず一年中エサを求めて活動しています。オスとメスの違いや個体差などはありますが、体長は約50cm、体重は比較的大きな個体でも10kgに満たないこともあり、意外と小さい動物です。
市内では現在、推定30頭から60頭で構成される群れが4群確認されており、被害の程度は群れによって異なりますが、4群全てが農作物被害を発生させています。
■02 サルはなぜ人の生活圏に姿を現すの?
ニホンザルは植物食傾向の強い雑食性の動物で、本来であれば山の中で木の実などを食べて生活しています。ところが、人里の果樹(栗や柿、柚子など)が収穫されずに放置されているなど、農作物が適切に管理されずに食べ放題になっていると、その味を覚えて果樹や農地がたくさんある人里に頻繁に出没するようになってしまいます。人間が食べておいしいように品種改良された果実や、畑にある野菜などはサルにとってもおいしく、自然にある木の実よりもはるかに栄養価が高い魅力的なエサです。また、果樹や適切に管理されていない田畑は、「簡単に」、「一度に大量に」エサを手に入れることができる場所になってしまいます。
ニホンザルも野生動物なので、もともとは警戒心が強い生き物ですが、「人間の生活圏近くでおいしいエサが食べられた」という成功体験を繰り返すうちに警戒心が薄れ、人間を見ても逃げなくなっていきます。人里を「安心してエサが食べられる場所」にしてはいけません。
■03 日常でできるサル被害対策
サルに限らず、鳥獣被害防止対策の基本は大きく分けて3つあり「3本柱」と呼ばれています。
◯(1)侵入防止対策
柵を設置する
◯(2)生息環境管理
放置された果樹の撤去、藪などの隠れ場をなくす、追い払いをする
◯(3)捕獲・駆除
加害個体を取り除く
この3つを組み合わせて実行することが被害を減らす近道です。
捕獲や駆除は資格や許可が必要になりますが、作物がある場合はしっかりと囲う、敷地の草刈りをこまめに行うなど、皆さんそれぞれでできる事もあります。サルは日中に活動する動物ですので、追い払いも効果的です。追い払いに慣れてくる個体もいますが、「しつこく・見かけたら必ず」追い払を行うことで出没頻度を減らすことができます。
普段から意識して被害対策に取り組んでいただくことで、人間の生活圏を「危険でエサが食べられない場所だ」と学習させ、サルをはじめ野生鳥獣を寄せ付けにくくする効果が期待できます。
特に侵入防止対策については、野菜や果樹を育てている方がそれぞれで柵の設置などをしていただく必要があります。また、柵は設置しただけで終わりではありません。正しく設置できているか、設置後に異常がないかも定期的にチェックをお願いします。参考に島根県の鳥獣専門職員が作成した【鳥獣対策「ここがポイント!」現場チェックシート】を5ページに付録しておきますので、自身の農地や集落内の対策がうまくいっているかの確認にご使用ください。
◎雲南市・奥出雲町のサル群れ推定生息分布図(参考:島根県農山漁村振興課鳥獣対策室)
◎サルの足跡(群れ)
◎サルに食べられたミカン
◎サルに食べ散らかされた柚子
◎柿を食べるサル
※詳細は広報紙2~3ページをご覧ください。
