くらし シリーズ 今、気づき、じんけん 共に生きる【47】

■交流をきっかけに互いの理解へ
北野校区には、約360人の外国人が住んでいます。北野校区人権啓発推進協議会(以下「人権協」)会長として、外国人と共に暮らすまちづくりを進める飛永光さんに聞きました。

◇何をしてほしいか聞くことから
活動のきっかけは、同校区まちづくり振興会の高尾会長から、地域で外国人技能実習生(以下、「実習生」)との交流会をしたらどうかという提案でした。以前から人権協でも実習生と交流する機会を作りたいと思っていたので、早速取り掛かることに。海外に住む娘に「何をしたらいいかな」と尋ねると「相手が何をしてほしいか聞くことからじゃない?」と返され、こちら側の一方的な内容ではいけないと気付かされました。
地域で集めた企画案の中から、経営者を通じて希望を聞いたところ、実習生たちに久留米絣(かすり)の着物を着てもらい、北野天満宮で撮影することに。当日はフィリピンから来た13人が参加し、「お姫様になったみたい」と喜んでくれました。地域の人たちが着物の準備や着付けをしてくれたり、天満宮の歴史や参拝作法を教えてくれたりして、「外国人」という境界を越え、交流が広がる場になりました。

◇楽しいことで打ち解け合う
交流会をきっかけに、翌月の校区祭りにも実習生が約50人参加してくれました。小中学生が実習生を案内するなど、世代や文化を超えて祭りを楽しむ姿があちこちに。楽しいことでつながると、自然と打ち解け、互いに困っていることも伝えやすくなります。ごみ出しや騒音の問題があるとすれば、ルールが分からないだけかもしれません。まずは気持ちを伝えて分かり合おうとする姿勢が大切だと思います。

◇境界なく接することが大切
周りに外国人が増え、文化の違いに触れるたび、自分にも何かしらの差別意識や偏見があると自覚することがあるかもしれません。無理に分からせようとすると対立しますが、経験や考え方の違いだと理解するうちに距離が縮まると思います。日本人同士でも、育った環境が違えば文化も違いますよね。「外国人」は、世界の国から日本を、久留米を選んで来てくれた仲間。境界を作らず、接することが大切だと思います。

◎飛永光さん
北野校区人権啓発推進協議会会長。北野在住歴40年。幅広いネットワークを生かし校区の人権啓発活動に携わる

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