- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県大木町
- 広報紙名 : 広報おおき 2025年7月号No.532
いつまでも自分らしく 終活(しゅうかつ)「これから」を明るく前向きに過ごすために
「終活」とは、自分の人生の終わりを見据え、それに備える活動のこと。自分の意思で医療や介護、葬儀、財産整理などの準備を進めることで、「これからの生き方」を考えるきっかけになります。
■想いを残す「エンディングノート」
エンディングノートは、自分が亡くなったときや意思の疎通が難しくなったときに備えて、大切なことを書き残しておくためのものです。
自分自身のこと、財産のこと、保険のこと、ペットのこと、家族への感謝の気持ちや、自分の死後どのような葬儀やお墓を希望するかなど伝えたいことを書きます。
家族や身近な人がノートを開いたときに、相続などの手続きの助けになるだけでなく、エンディングノートを書くことで、これまでの人生を振り返るとともに、これから挑戦したいこと、目標、夢が明確になります。
エンディングノートと似たものに遺言書があります。遺言書は「亡くなった後に、財産をどう分けるかを正式に決めるための法的な書類」です。定められた形式に沿って作らなければならないうえに、書き直すためには手続きが必要です。
対して、エンディングノートは遺言書と違い法的効力はありませんが、形式が定められていないため、自分の想いを自由に書くことができます。
■エンディングノートは「これからの人生」の道しるべ
近年、「終活」が注目されるようになり、「エンディングノート」に関心のある人も増えていますが、実際に書いた人はまだ少ないようです。
エンディングノートを良いイメージとして捉えられないかもしれませんが、今後の人生設計にとても便利なものです。例えば、エンディングノートにご自身の介護や葬儀のことなどを書いておくと、それを実現するためにこれからの収入や支出をイメージし、安心して生活できるようライフプランを見直すことができます。
身寄りのない人などは「もしも」のときのためにも、まずエンディングノートを作成し、身元保証サービス・成年後見制度・専門家(司法書士・行政書士など)を活用することも検討してみてください。
他にも、スマホやパソコン、インターネット上に残された情報の整理に悩む遺族が多いようです。「パスワードの共有」のためにも、エンディングノートを活用してみてはいかがでしょうか?
福祉課 江口(えぐち)保健師
■エンディングノートを書くときのポイント
1 「今の気持ち」から書き始める
まずは難しく考えず、思いついたことを書いてみましょう。エンディングノートには形式がないので、「家族へのメッセージ」や「やりたいこと」など、書きやすいことから書いていきましょう。
2 書き直せるように鉛筆で書く
エンディングノートは一度書いたら終わりではありません。「今の自分」に合わせて更新していくことが大切です。
気持ちや状況が変わったら、いつでも書き直せるように鉛筆を使い、修正したら日付を記入しておきましょう。
3 「もしも」に備えて、自分の希望を書く
病気になったときどんな治療を受けたいか、どんな葬儀をしてほしいかなど、自分の希望を書いておきましょう。突然亡くなったり、意思の疎通が難しくなっても、家族が安心して動くことができます。
4 お金や大事なものをまとめる
通帳や保険証の保管場所、連絡先などをノートにまとめて書いておきましょう。家族の負担が減るだけでなく、自分に必要な情報を整理しておくことで、これからの暮らし方を自分の意思で選択することができます。
■エンディングノートに書いておきたい10のこと
・基本情報
生年月日、住所、電話番号など
・家族、親戚の連絡先
連絡が必要な人の名前と連絡先
・医療・介護の希望
延命治療、介護が必要になったときどうしてほしいか
・葬儀の希望
葬儀の形式やお墓の希望など
・財産・資産の情報
銀行口座、保険、不動産など
・遺言書の有無と保管場所
・スマホやパソコンの管理
パスワードや使っているSNSのアカウントの整理
・ペットの世話
飼っているペットの名前や世話の方法
・形見分け・遺品整理
大切にしている物品と受取人
・大切な人へのメッセージ
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問合せ:福祉課
【電話】0944-32-1060