くらし 私なりに見つめる玉名

地域おこし協力隊 種子島奈里

平成4年「子どもたちが走り回れる場所を」と、数人のボランティアが整備を始めた菊池川の河川敷。平成15年にはNPO法人「つくしの会」を立ち上げ、芝生管理や大雨後のゴミ拾いなど4ヘクタールにもおよぶ敷地を管理しています。こうした地道な取り組みの結果、荒地は広場へと姿を変えました。現在では、下流側でラグビー、上流側でサッカー・パークゴルフ場と、幅広い世代の人々が集う憩いの場となっています。今月は、健康づくりの場としても活用されているパークゴルフ場で取材しました。

パークゴルフは、クラブ1本とボールを使い、ゴルフのようにコースを回ってカップインするまでの打数を競います。18ホール回って歩く距離は約2キロ。体力に自信のない方でも安心して楽しめるのが魅力です。
菊池川のパークゴルフ場は、毎週芝刈りが行われ、いつも綺麗なグリーンが広がっています。整備されたコースを、誰でも自由に無料で利用できるため、市内外から通うパークゴルフ愛好者たちが練習に勤しんでいます。

■NPO法人つくしの会 代表
玉名市 小田関幸次郎さん(76歳)
芝生を管理している私たちにとって、みんなが笑顔でコースを回る姿を見られることが、大きな喜びです。新しい仲間との出会いを楽しみながら、スコアを競い合ったり励ましあったりして、健康に年齢を重ねられるような〝地域に愛される広場〞であってほしいと思っています。

■玉名市繁根木
井本秋夫さん(92歳)
パークゴルフ場が整備された当初から、ほぼ毎日通っています。新しい仲間も増えて、50人くらいの名前を覚えましたよ。夏は朝か夕、冬は朝昼晩。9ホールを4セット回っています。2打か3打で入るとやっぱり嬉しいですね。「ここに来られること」が一番の喜びです。95歳までは通いたいですね!

■天水町部田見
池田信也さん(83歳)
63歳で脳卒中になって、体が不自由だったんです。でもパークゴルフを始めて足が動くようになり、腰も伸びました。誘ってもらえていなかったら、家でテレビを見るだけの毎日だったかもしれません。綺麗に整備してくれている関さんたちや「こんにちは」と声をかけてくれる仲間たちに感謝しています。

■天水町部田見
下田憲一さん(85歳)
15年前に胃がん、4年前に胆管がんで余命宣告を受けました。手術後は杖をついて歩いていましたが、パークゴルフを始めてからは、先生から「歩きすぎ」と言われるほど元気になりました。誘ってくれた人たちが命の恩人です。遠くから名前を呼ばれると本当に嬉しいんです。体の動く限り続けていきたいです。