くらし 【PICK UP】Hero of China

■6月15日に行われたマスターズ柔道大会で優勝した鈴木文二さん(徳時字)にお話を聞きました。
6月15日、西原商会アリーナ(鹿児島市)で開催された2025年日本ベテランズ国際柔道大会(第19回日本マスターズ柔道大会)において、徳時字の鈴木文二さんがM10クラス(75~79歳)男子73kg以下級で見事優勝を果たしました。
▽沖永良部へ移住したキッカケは?
鈴木(以下鈴):沖縄がまだ返還されていなかった1971年に、当時飛行機で行ける日本の最南端だったのがココだったの。
それまでは親の言うなりに進学や就職をしてたんだけど、ハタチの時に槍ヶ岳に登って頂上に立った瞬間に人生が変わったんですよ。「俺の命じゃん、好きに生きればいいんじゃん」って(笑)。それで海が好きだったから仕事もなにも全部辞めて沖永良部島に1年間住んだんです。
そのあと東京で仕事してたんですけど、73歳になって「そうだ俺にはエラブがあるじゃん」って戻ってきました。
▽柔道再開の理由は?
鈴:60歳の時にカミさんが亡くなっちゃって一人になって。やる事なくて、もう1回柔道やりたい!と思って練習を再開したんです。やっぱり柔道が大好きでずっと引っかかってたんじゃないかな。
今回「沖永良部」のゼッケンを背負って出るのはやっぱり緊張しましたよ。柔道クラブで中学生たちと練習してたのが良かった。彼らがいなかったら勝てなかったかもしれない。一人の時にも、昇竜洞の出口の階段で走り込みをしたり、ずいぶんトレーニングしましたよ。
▽モチベーションはどこから来るんですか?
鈴:いつもこれでいいのかって、自問自答してるんです。自分自身に納得いかないから続けてるんでしょうね。
次は80歳でもう1回マスターズ出ようと思ってます。子ども達が頑張ってるから俺らも頑張んなくちゃね。

◆鈴木文二 SUZUKI Bunji
1950(昭和25)年6月東京都生まれ、75歳。高校で3年間やっていた柔道を60歳で再開。2023(令和5)年に知名町へ移住。