くらし イチ ビト~一関の輝く人 No.23

■人とのつながりを大切に地元の田んぼを守っていきたい
花が好きで、高校卒業後に東京の花卉(かき)市場で働いた後Uターン。23歳の時に小菊とリンドウの生産者として独立しました。同時に休眠状態だったJAの地元青年部を復活させ、リーダーシップを発揮。若手の仲間づくりを進めたほか、軽トラ産直や児童養護施設への食材寄付などさまざまな事業を展開しました。「青年部でも花卉生産でも、やりたいことはやり尽くした」とがむしゃらに駆け抜けた日々を振り返ります。
気候変動の影響もあり、数年前に花卉生産に区切りを付けて会社員兼米農家に転身しました。建設会社では営業と現場の安全管理を任され、相談しやすい存在として頼りにされています。「何かあったら声を掛け合い、助け合う人間関係のありがたさを農業で学んだ。それは今も生きていると思う」と胸を張ります。
農業では所有する田んぼのほか、会社の理解の下で近隣の作業も受託し、今秋は合計5ヘクタールの稲刈りをこなしました。「収穫の喜びはやっぱり格別」と目を輝かせ「これからも人とのつながりを大切にしながら田んぼを守っていきたい」と誓います。

▽会社員兼米農家
那須俊裕(なす・としひろ)さん 38(東山)
Profile
昭和61年東山生まれ。建設会社勤務の傍ら水稲1.5ヘクタールを営む。元JAいわて平泉青年部協議会長。過去の経験を生かし、地元産が品薄の時期に産直のために切り花を調達することも。2人のこどもと過ごすのが楽しみで、先日はリクエストに応えて自宅倉庫にブランコを手作りした。