- 発行日 :
- 自治体名 : 山梨県甲府市
- 広報紙名 : 広報こうふ No.834 2025年7月1日号
■「郷土の祭り・おみゆきさん」~玉諸地区~
玉諸地区は、市の東部に位置し、昭和の中頃まで果樹園の広がる地域でした。周辺の宅地開発とともに人口が増加し、市内有数の大規模地区へと発展しました。甲斐国三之宮玉諸神社(かいこくさんのみやたまもろじんじゃ)をはじめ由緒ある神社やお寺が点在し、長い歴史を感じられるこの地域は、幹線道路が縦横に伸び、商業施設も多く、住みやすい環境が整っています。
玉諸神社では、毎年4月15日に例大祭「三社神幸祭(さんしゃみゆきまつり)」が盛大に執り行われます。平安時代から続く歴史あるこの祭りは、釜無川の水害防止を祈願する「おみゆきさん」として知られています。
約1200年前、淳和天皇(じゅんなてんのう)の勅使(ちょくし)が一宮の浅間神社(あさまじんじゃ)、御坂の美和神社(みわじんじゃ)、そして玉諸神社に水防祈願を命じたことが起源とされ、現在もその伝統が受け継がれています。
また、玉諸神社の参道入り口には、「玉杉之舊跡(たますぎのもとあと)」と書かれた石碑があります。日本武尊(やまとたけるのみこと)が水害防止を祈願して1つの玉を埋め、その上に杉を植え、のちに玉室杉(たまむろすぎ)と呼ばれるようになり、そして、この玉室杉の「玉室」が「玉諸」の地名になったと言い伝えられています。
先述の通り、毎年4月15日には、春の訪れを告げる「三社神幸祭」があり、直近の日曜日には「郷土の祭り」が開催され、地区内各町の七柱(ななはしら)の鎮守(ちんじゅ)の神を玉諸の神が訪れる神輿渡御が行われます。
「郷土の祭り」は、昭和52年に始まり、本年で48回目を迎えました。水防・防災祈願や疾病終息のみならず、地域のにぎわいの創出や連帯感の醸成を目的に毎年実施して参りました。
この祭りが今日まで続けてこられたのも、関係各位や地域の皆さんの並々ならぬご努力、ご理解、ご協力のおかげであります。
今後も地域の伝統を守りつつ、皆さんが安心して楽しめるお祭りを継続してまいります。
玉諸地区自治会連合会 会長 天野 一
問合せ:協働推進課
【電話】055-237-5298