くらし しもまちキラリ

■下関エントレ
第6回Minecraftカップで応募があった作品のうち、今大会テーマ「Well-beingをデザインしよう(まちづくり部門)」を最も表現したとして、下関市から特別賞「スマートシティしものせき賞」を受賞。

・下関で育つ芽 街をデザインする力

◆今、街を見つめ そして未来の街を描く
この大会では、プログラミング体験やデジタルものづくりを通じた問題発見・解決を目指すツールとして世界各国の教育現場で活用されている「教育版マインクラフト」を使って、全国・海外の高校生以下の子どもたちが作品内容を競い合いました。
今回受賞した下関エントレは、ロボットプログラミング教室「Endo IT トレーニング」の塾生たち。通う学校が異なる小学5年生4人で編成されたチームで、オンライン上で話し合いながら、分業してインフラ整備やビル建設に取り組みました。メンバーの北川輝琉さんは「Well-beingなまちづくりを考える中で、僕が今住んでいる世界は、ご先祖様たちが未来をより良くなるようにつくってくれたものだと気付きました。僕たちも後世に、住みやすい下関を残していきたいです。世代を超えて受け継がれるものを表現しました」と話します。
街には住居や交通、観光、歴史などさまざまな要素があります。「みんなが幸せになるために、将来どんな街になったらいいか」特別な設計技術や専門知識がない子どもたちが、このツールを通じて、街の未来を楽しく考えるきっかけとなったのです。

◆大切なのは子どもが 自ら納得する瞬間
下関エントレの審査発表の振り返りを、塾長の遠藤哲さんに伺いました。「彼らの発表は、作品『未来の下関市』に懸けた思いがストーリーとして見えて、とても素晴らしかった。作品に雑然としたリアルな街の感じが出ていたし、建築物の細部にもこだわっていました」
一方課題も。製作期間3カ月のうち実働は半分ほど。そのため、作品の規模に広がりを持たせられなかったり、どれほど夢を描けても、芸術作品として評価されるまでには至らなかったという反省も。
「結果が出て初めて『あの遊んでいた時間はもったいなかったな。こうすれば良い作品になったのに』と子どもは自身で納得するものです。私はその瞬間を待つことが大切だと思います」と遠藤さん。
普段は、電子部品やブロックで組み立てたロボットにプログラムを転送し、学びを深める彼ら。今大会への参戦は、仮想世界の中で、チームが目指すべき構想やテーマを言語化し合い、共同作業するという点で、普段とは違う挑戦だったといえます。この経験を武器に、次は全国大会出場を目指します。

(写真)北島副市長から表彰状を受け取る4人。
(写真)名陵小学校 北川 輝琉さん
年齢の違うみんなが楽しく幸せに暮らすために、Well-beingをバランス良く取り入れた世界を目指しました。
(写真)名陵小学校 豊原 颯太さん
未来の下関にも電車があってほしい。下関の海に囲まれた地形を生かした交通手段を考えました。
(写真)関西小学校 森 耶乃さん
高級ホテルを作りました。有名人にSNSで発信してもらい、下関をにぎわいある街にしたいです。
(写真)文関小学校 山田 朝陽さん
最新技術を使った建物を。安全にみんなで楽しめる打ち上げ花火装置をプログラミングしました。
(写真)プログラミングで「できない」と言われたら
「なぜできないか」「何がどう動かないか」を遠藤さんは塾生に説明させます。今の時代の子どもたちに必要なのは、プログラミングのコードの書き方ではなく、言語化する力。
(写真)四角のブロックでドーム状の建物を作る練習
ドーム部分の曲線を表現するために、ブロックの大きさや座標を細かく設定します。塾生たちは自主的に教え合い、学びを深めます。
※写真は本紙参照

▼第6回MinecraftカップHP 下関エントレの作品が詳しく紹介されています。
【URL】https://minecraftcup.com/works/workarticle/?work_id=2231