くらし 議会だより(5)

■将来に安心してくらせる町づくりについて 三根和之
▽議員
今年は、10月1日現在で国政調査が実施されるが、前回の調査結果より、町の人口は減少すると予想される。この度、町民より、人口減少が町の政策に影響が出るのではと懸念する声があったので、「将来に安心して暮らせる町づくり」について質問する。

1 財政への影響
人口減少は、地方交付税に影響が出ると考えられ、その減少額をどのように試算されているのか、また対策などを含め、今後の見通しについて町の見解を伺いたい。

2 行政サービスへの影響
大町町の移住定住支援と子育て支援は県内でも優れている政策と思うが、町民の中には、その施策が人口増に反映されていないのではと疑問視する声もあっている。そこで今後、人口減を補うための新たな政策を考えているのか伺いたい。

3 過疎計画について
令和8年度には、過疎地域持続的発展計画について策定時期となっている。
町の将来を見据えた新しい政策を積極的に打ち出していくための構想として、町民がより地元である大町町で就職できるよう企業誘致の促進を図っていただきたい。
また、大町町には、保育園から小・中一貫校であるひじり学園があるが、他の市町には、教育や研究が地域の基盤となり、まちづくりや経済発展をしたという事例もあるので、学園都市などのモデルも視野に入れていただきたい。

4 その他
過疎債を活用して建設予定である複合施設については、より町民の皆さんに理解していただくために、誰もがわかりやすい方法で町報等で周知して欲しい。

▽総務課長
1 国勢調査は5年ごとに実施され、本年実施される。国勢調査人口数をもとに普通交付税の算定に使用される経費について、直近の令和6年(調査年令和2年)と令和元年(調査年平成27年)の国勢調査人口及び影響する交付税額を比較すると、人口は約480人程度減少しているが、交付税額は約1億円程度増加している。
地方交付税制度は全国どの自治体でも標準的な行政サービスを維持できるよう必要経費を交付される制度と認識しており、人口が減少したことにより交付税が減少するとは一概には言えない。
今後も、国全体として人口減少が進行することが見込まれる中で、町として、今後も交付税の算定方法、制度の動向に注視しつつ、適切な支出管理及び事業の精査、選択を行い財政運営に努めていく。

▽副町長
2 大町町では、人口減少や地域の活性化といった課題に対応するため、定住移住の奨励金、出生祝金を始めとした子どもの成長段階に応じた切れ目のない支援を行っており、子育て応援の町として他の市町に負けない施策に積極的に取り組んできた。
例えば、「定住奨励金」をみると、全国の自治体でいろいろな移住支援施策が実施されている中で、令和元年度から令和6年度までの6年間で、101世帯、352人(うち中学生以下108人)が定住目的に活用されており、その成果はでているものと評価している。
人口減少は、本町だけで直ちに解決できるものではないが、現在取り組んでいる子育て支援策や定住奨励金等は即効性実効性のある施策として成果をあげていることから、町の住みやすさ等と併せてこれらの取り組みの情報発信に注力していきたいと考えている。

3 大町町過疎地域持続的発展計画の計画期間が今年度までとなっていることから、現在令和12年度までとなる後期計画の策定に着手したところである。
企業誘致についてはこれまでも取り組んできたので、成果の検証を行いながら後期計画の内容を検討していく。学園都市については、上位計画となる大町町総合計画にも記載がなく、実現にあたっては用地の確保を始めとし相当高いハードルと長期的な実行が必要になるものと思われる。
いずれにしても、その目的は定住移住の促進や働く場の確保ということになろうかと思うので、子育て支援策や定住促進奨励金等の即効性実効性のある取り組みが有効であると考えている。

4 複合施設の建設にあたっては、町の一般財源の支出をできるだけ少なくするため、町の負担に対し7割が国から交付税措置される「過疎対策債」を主な財源として活用する予定だ。今後、進捗状況等、町報を用いて町民の皆さんに伝えたいと考えている。
また、区長会でも案内しているが、地区単位での説明会についても、今後、区長を通じて申し出があれば柔軟に対応していくこととしている。