くらし 令和7年度 施政方針(2)

令和7年度 施政方針(2)
◆2 主要施策等の概要(続き)
◇(基本目標3)郷土を愛し、豊かな心を育むまち
令和7年度から令和11年度までの「伊佐市教育大綱」および「第2次伊佐市教育振興基本計画(前期計画)」の基本目標として「『伊佐のふるさと教育』の推進」、「地域と学び、未来を創る人づくり」、「伊佐らしい活力ある教育、文化の創造」を掲げており、その実現に向けてさまざまな取組を進めてまいります。
情報活用能力を育成するため、令和3年度から本市においてGIGAスクール構想がスタートし、1人1台端末の実現をはじめICT環境整備を進めてきました。令和7年度は端末更新が必要なことから、全児童生徒分の更新を円滑に行い、情報教育が後退することのないように環境整備を図ってまいります。
この端末を利用した学習の一例として、昨年度は教育版マインクラフト(※4)を活用し、各校区の魅力や課題についてSDGsと絡めながら探究を行う取組を9つの小中学校で実施しており、令和7年度からはこの取組を16校すべての学校で展開するなどICT教育の拡充を図ってまいります。
特別支援教育については、小・中学校の校内支援体制の充実や研修会の実施による教員の専門性の向上、産官学連携等による就学・進学時や、卒業後の切れ目ない支援の推進などに引き続き取り組んでまいります。
また、インクルーシブ教育(※5)システムの構築に向けて、新しくできる県立特別支援学校との連携強化に努めます。
社会教育については、市民の多様なニーズに対応した生涯学習講座の開設を行い、生涯学習機会の充実に努めてまいります。
人権教育については、学校、家庭、地域等が緊密な連携のもと、積極的な人権同和教育の充実に努め、人権感覚あふれる共生社会の実現に向けて取り組んでまいります。
家庭教育や青少年教育については、学校・家庭・地域が一体となって青少年の健全育成を推進するとともに、「伊佐さわやかあいさつ運動」を市内の主な事業所に展開し、明るく元気なまちづくりに取り組んでまいります。
図書館については、4つの役割である「支える・役立つ・つなぐ・育むこと」に基づき、人づくりに貢献し成長し続ける図書館となるよう努めてまいります。
文化芸術については、市文化協会や関係団体と連携し、文化芸術活動を行っている団体等の発表機会の確保や、活動状況などの情報提供に努めるとともに、多くの市民が身近なところで、幅広いジャンルの文化芸術に触れることができるよう、自主文化事業を企画・開催し、文化芸術鑑賞の機会の充実を図ってまいります。
スポーツについては、市スポーツ協会や各関係団体と連携し、競技力向上の推進と合わせて、スポーツに親しむ機会を確保し、健康づくりや体力づくりを地域で支える生涯スポーツの推進を図ってまいります。加えて、スポーツ合宿の誘致により交流人口の増加を図り、地域活性化につなげてまいります。

◇(基本目標4)ともに支え合い、きいきと暮らせるまち
高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、自分らしくいきいきとした暮らしを続けることができるよう、就労・就業等の支援や福祉タクシー利用料の一部助成による移動手段の確保および支援の推進に取り組んでまいります。加えて、介護予防活動の充実や予防サービス体制等の整備を行うことで、社会参加の推進を図るとともに、ともに支え合い暮らすことができるよう、総合相談の支援体制や認知症の人およびその家族に対する支援の充実を図ってまいります。
また、安心・安全に暮らすため、「高齢者等見守り事業」等の生活サービスの充実や「成年後見制度利用支援事業」等の権利擁護の推進と高齢者虐待の防止に対する取組を継続しつつ、住み続けることが可能な地域の実現に向けて、居宅サービスや地域密着型サービスの充実を図りながら在宅生活を支えてまいります。さらに、質の高いケアをめざし、事業者との連携や介護人材確保の取組を進めます。
健康的な生活のためには、食事、運動、休養のバランスが重要であり、健康教室等で食の大切さに関する意識向上や、ポイントアップ事業などの継続により、運動する習慣を身に付ける動機付けなどの支援を行い、市民自らが主体的に健康づくりに取り組むよう促してまいります。併せて、特定健診や各種検診の受診率向上に努め、病気の早期発見、早期治療を推進するとともに、保健指導等による生活習慣病の発症や重症化予防のための取組を引き続き実施してまいります。
また、これまでの「高齢者の保健事業と介護予防の一体的事業」を継続し、健康寿命の延伸をめざす取組を推進します。
さらに、市民が健康に関心を持ち、積極的に健康づくりに取り組み、地域全体で支援する体制づくりを展開するための計画である「第3次健康いさ21」について、のみなさまのご意見を伺いながら策定してまいります。
地域医療については、関係機関と連携し、診療科の維持および医療人材確保に努めるとともに、休日や夜間でも市民が安心して受診できる医療体制の確保に引き続き取り組んでまいります。
国民健康保険については、被保険者数の減少や、一人あたり医療費の増加等により厳しい運営状況が続いていることから、収納率向上などの収入確保対策の強化や医療費適正化等の取組に努め、併せて国民健康保険税率の改定を行い、事業の安定的な運営を図ってまいります。
身近な地域においては、市民の自助、共助の意識の醸成を図りながら、地域共生社会の実現に向けた取組を継続するとともに、複雑化、複合化した支援ニーズに対応するため、社会福祉協議会や民生委員児童委員協議会、校区コミュニティ協議会などの関係機関と相互に協力しながら、重層的な支援体制の構築を図ってまいります。
障がいのある人については、健やかで自立した生活のためのサポート、地域との交流や就労支援の取組を推進します。加えて、基幹相談支援センターでは、地域課題に対し、専門職による丁寧な相談対応を行ってまいります。
また、生活に困窮している市民に対しては、その状況に応じた対応や自立の助長を行いながら、不安の解消と安心できる暮らしを支援してまいります。

(※4)教育版マインクラフト…
プログラミング教育、情報教育、協同学習などの教材として使用できるものづくりゲームの一種

(※5)インクルーシブ教育…
障がいの有無にかかわらず、すべての子どもがともに学ぶ仕組みのこと