くらし [特集3]構造改革の歩み 2022→2024

■「あれも、これも」から「あれか、これか」の時代
市役所の組織風土を変革し、市民サービスの向上へ。
「職員が変わり、市役所を変える。そして、市民の満足感を高める。」このような想いのもと、これまでさまざまな取り組みを進めてきました。本特集では、その一部をご紹介します。

[INTERVIEW]
冨田 稔
総合政策部
構造改革・DX推進課課長

◆[01]構造改革担当者の声
◇構造改革の必要性
人口減少、少子高齢化の急速な進行や社会のデジタル化などにより、市民の皆さんのニーズは複雑多様化してきています。こうした中、市役所も時代に合うようにアップデートしていかなければなりません。市民サービスをもっと便利に、職員の働き方をもっと効率よく、過剰な公共施設などを身の丈に合う水準に最適化し、職員のパフォーマンスを最大限に引き出していく。さまざまな面から変革を進め、体質を改善し、行政資源を最適配分していく。こうした改革は待ったなしです。

◇改革に至るまで
どの部署も通常業務に手いっぱいで、改革どころではないという雰囲気がありました。まずは、全庁に共通する部分の効率化から実行していきました。便利なデジタルツールの導入を進めながら、共通業務の簡素効率化に努めてきました。
最近では少しずつ意識が変わりはじめ、各所属とも改革に前向きになってきたと感じています。そういう意味ではここからがスタートだと感じています。

◇これからの歩み
今後も人口減少はさらに進行していきます。こうした中、私たちはその変化に柔軟に対応したまちづくりを進めていく必要があります。投資すべきところにはしっかりと投資しながら、過剰な公共施設などについては将来を見据えた持続可能な形へと見直していく。また、デジタル技術などを活用しながら、しっかりと行政機能は担保していく。縮みながらも、住民の皆さんが幸せに暮らしていける満足度の高いまちを実現していくために、改革の歩みを止めることなく、一歩一歩確実に構造改革を進めていきます。

◆[02]古い慣習から脱却し、業務効率化へ
市役所では、紙ベースからデジタルベースの働き方へとシフトし生産性を向上させていくため、会議や協議をはじめ、決裁や会計処理などあらゆる場面でペーパーレス化を推進しています。また、RPA※や生成AIなどのITツールを積極的に活用し、業務の効率化を進めています。市役所の内部的な業務にかかる時間を圧縮し、市民サービスに直結する政策を推進するための時間に割り当てることにより、市民サービスの向上につなげます。
※RPA…定型的な業務を自動化する技術

◆[03]市民サービスをより便利に(改革の主な取り組み)
◇1.出張行政サービス お出かけ市役所
ー市役所から皆さんのもとへ!ー
市役所に来ることが困難な方を対象に、多機能車両がお住いの地域やご自宅まで出向き、その場で行政サービスを受けることができるようになりました。
〔主な提供サービス〕
・各種証明書の交付
・マイナンバーカード保険証紐づけ
・各種相談・手続きなど

◇2.暮らしをもっと、便利に スマホ市役所
ー市役所がより身近に!ー
今までは、市役所にわざわざ行かないと手続きできなかったものが、昨年10月から市役所に行かなくてもスマホから一部の手続きができるようになりました。ぜひ、サービスをご活用ください。
〔主なメニュー〕
・小中学校への出欠連絡など
・大型ごみの収集申込
・公共施設の予約
・住民票や税証明の交付申請
など

◇3.より便利に、より安心に 保育DX
ー保護者の負担を軽減!ー
仕事に行く前など、朝の忙しい時間に子どもの欠席や遅刻の連絡を保育所・幼稚園に電話で連絡していたのが、アプリから簡単に連絡することができます。アプリの各種機能によって、保護者の負担を軽減します。
〔主な提供サービス〕
・保護者連絡(出欠連絡など)
・お知らせ配信
・登降園管理など

◇4.持続可能な施設運営へ 公共施設の最適化
ー今できることは今やる!ー
市民の皆さんと検討内容の進捗を共有しながら公共施設のこれからのあり方を考えるための「個別施設計画」を公表しました。これをベースに市民の皆さんとの意見交換に取り組み始めています。
〔最適化の流れ〕
・市民の皆さんと厳しい現状や危機感を共有し、施設のこれからについて意見交換

・施設の新設・削減・複合化を検討

・適切な維持管理と健全な行財政運営へ