くらし (特集)入農生の「NEW農パワー!!」地域みんなで「入農推(にゅうのうお)し」

入農生のさまざまな活動には、地域の皆さんの協力が欠かせません。ここでは、入農生に力を貸してくれる人や活躍を楽しみにしている人など、「入農推し」の皆さんの声を紹介します。

●(株)TAKU FARM 代表取締役
JAみな穂青壮年部 委員長
新川きゅうり出荷組合 組合長
広瀬 琢磨(たくま)さん
(高畠・44歳)
6月に、入農生と一緒に農商校福連携のトウガラシの定植をしました。長年続く事業で、商品化にも成功していますが、また新たな可能性がないかを入農生と話し合ってみたいですね。
キクラゲ廃菌床の研究は、きゅうり農家の一員として、とても興味深いです。さらに品質が良くなるような活用法の発見を期待しています。
入農生の皆さんには、学びを生かし、農業はもちろん、飲食業界やPR業界など、さまざまな分野から町農業を応援できる人になってほしいです。

●流 勝彦(かつひこ)さん(上野・83歳)、流 ムツ子さん(同・79歳)、池田 明美(あけみ)さん(朝日町・78歳)
長年、農業科の野菜苗販売会に行っています。トマトやナス、ピーマン、パプリカなど多彩な苗があり、いつも一通り購入しています。
どの苗もお手頃なのに品質が良く、市販の苗よりも、定植後の生育や、取れる野菜の味が良いように感じます。一度買うと、もう他の苗が買えないくらいお気に入りです。
販売会での、生徒の皆さんの丁寧な接客や細やかな対応にはいつも感心しています。毎年楽しみにしているので、ぜひ今後も長く続けていってほしいですね。

●入善高校 校長
五十里 勘司(かんじ)さん
(東五十里・60歳)
町の基幹産業である農業を学ぶ学校として始まった本校は、農家さんをはじめ、町の皆さんとのつながりを深めながら成長してきました。ご協力いただいている皆さんに、深く感謝申し上げます。
自分たちで作物を育て、販売することで、社会に貢献できる喜びを感じられる点が農業科の魅力のひとつ。課題研究や農家での実地研修を通して、学ぶ姿勢や人との接し方を身に付けることもできます。
農業に限らず、将来地元で働きたい生徒さんには、特におすすめの学科ですね。

●入善小学校 3年
四月朔日 瑛仁(わたぬき えいじん)くん
2年生のとき、春と秋に、農業科のお兄さん・お姉さんたちとの交流会をしました。苗植えでは、高校生のお姉さんから植えかたを教えてもらいながら、葉ボタンとオレンジ色のパンジーを植えました。苗がうまく育って、きれいな花が咲いたときは、とてもうれしかったです。
ことしの2月には、農業科で育てた「富富富」が給食に出ました。いつも給食で食べているご飯と同じくらいおいしかったです。いつか授業で田植えをするときは、入農生の人に教えてもらいたいです。

◆「NEW農パワー」は、人と人をつなぐチカラ
入善高校は大正11年、県立入善農学校として創立。昭和23年には、学制改革に伴い入善高校に改称、農業科・普通科・定時制が設置されました。その後も、地域社会の要請に応じて形を変えながら、令和4年には創立100周年を迎えました。同校はこれからも、町の未来を担う若者たちの、大切な学びの場であり続けます。
入農では、今回紹介した以外にも、「振り売り」と呼ばれる花鉢の行商実習や、農業祭出店、農家での実地研修など、さまざまな活動を展開。どの活動も、生徒と地域の皆さんとのあたたかい交流を生み出し、町を盛り上げる重要な役割を果たしています。
このほど国の打ち出したコメの増産や後継者不足など、農業を取り巻く環境は刻々と変化しています。将来の町農業の担い手育成も、今後の入農に期待される役割の一つです。
今後も、人と人のつながりを生み出し、町農業を支える新たな力になる、入農生たちの「NEW農パワー」にご期待ください。また、これから高校生になる子どもたちのパワーも、入農に加えてみませんか。