くらし 特集 意外と知らない?お米のコト。(2)

■心を、コメて。
「心を、コメて。」ー。そんな言葉がぴったりのお米の作り手たちが、今日も田んぼに向き合っています。
朝露に濡れる稲の葉を手でそっと撫で、水の具合や天候の変化に目を配るー。
その繰り返しの中で、一粒一粒に愛情と時間を注ぎ込み、秋には自慢のお米が実ります。
そんな米作りへの想いを、坂井のお米を支える専業農家の二人にお話を伺いました。

◇食べる人を、思って米を作る。
株式会社みやざき農園 代表取締役 宮嵜恵介(みやざきけいすけ)さん
「僕のお米を食べてくれる人ーみんなの顔を知っている。そんな米づくりをしたい」
米作り歴15年。31歳で農家に転身した宮嵜さんは、迷いのない口調でそう語ります。
「食べてくれる人を思って作るのは、責任感に繋がる。だから下手な米作りは出来ないですね」
特に力を入れているのは肥料のやり方。小さな努力の積み重ねが秋の収穫につながります。
「多くの農家が1シーズンで1回のところ、僕は3回に分けて肥料を撒くんです。炎天下の中、延べ合計100ヘクタールくらい撒くかな(笑)」
田んぼでの思い出を尋ねると、少年のような笑顔で話します。
「背負い式の肥料散布機を背負って田んぼを歩いていたときに、地面がぬかるんで仰向けに転んだんです。機械の重さは30キロ。起き上がろうと長時間ジタバタして泥まみれ。当時31歳。大人の泥あそびでした(笑)」

◇米づくりと人づくりに挑む。
田中農園株式会社 代表取締役 田中勇樹(たなかゆうき)さん
「いちばんやりたいのは、米づくりと人づくり」
そう語るのは、米作り歴17年の田中さん。29歳で会社員を辞め、農業の道へ進みました。
「婿入り先が農家で、いつかは自分がやらねばと。義父の代で終わらせるわけにはいかないと思ったんです」
田中さんは、米作りと同時に後継者を迎え入れ、育てることにも力を注ぎます。
「米作りはやっぱり、作り手がいないと。だから少しでも興味があれば、どんどん受け入れて挑戦させてあげたいんです」
真剣に話す言葉から、米作りへの熱意がにじみます。
「『やっぱり田中さんのお米がいい』と選んでくれるお客さんが徐々に増えて本当にうれしい。辞めたいと思ったことは一度もないですね」
ー笑顔で語る姿に、田中さんの誠実な人柄が映っていました。

◆国に登録されているお米は約1,000品種。坂井市で作られている品種の一部をご紹介。
◇コシヒカリ
言わずと知れたブランド米
日本で最も作付け面積が多い定番品種。粘り・甘み・うま味のバランスが極めて優れているのが特長です。丸岡町舟寄出身の故石墨慶一郎(いしずみけいいちろう)博士らにより開発され、「越の国に光り輝くお米に育ってほしい」という願いを込めて名付けられました。

◇あきさかり
コシヒカリの血を引く優等生
コシヒカリの良さを受け継ぎながら、よりあっさりとした味わいに仕上げた品種です。粒立ちがよく、軽やかな口当たりで、飽きない味が特長。どんなおかずにも合わせやすく、カレーや丼物、チャーハンなど、味の濃い料理とも相性が抜群です。

◇いちほまれ
2018年デビュー福井のブランド米
コシヒカリを超えるおいしさを目指して福井県が約6年の歳月をかけて開発した品種です。絹のような白さとツヤ、弾力のある粒立ち、程よい甘みが特長。塩むすびや手巻き寿司など、お米そのものを味わいたい料理にぴったりのお米です。

◇ハナエチゼン
北陸で最も早く収穫新米のトップバッター
例年8月中旬ごろから出荷される早生品種で、他の品種よりも一足早く新米が楽しめるのが特長。粘りが少なく、粒がほぐれやすいので、炊き込みご飯や混ぜご飯、具やソースを主役にしたい料理とも相性が良いお米です。

◆食べる
◇いねす秋の収穫祭
・坂井高校プロデュース坂井のお米発見マルシェ 10/18(土)
会場には、坂井市産のお米を使った料理を提さん供するキッチンカーが並びます。コシヒカリをはじめ、5品種のお米の食べ比べができます。また、地元の坂井高校生も運営に携わり、地域と一体となって収穫の喜びを分かち合います。
秋の実りを感じながら、多彩なお米の味わいをお楽しみください。
日時:10月18日(土) 9:00~16:00
場所:坂井地域交流センターいねす

◆買う
坂井市産のお米は、米穀店はもちろん、市内の農産物直売所でも手軽に購入できます。地元で育った新鮮なお米を、ぜひご賞味ください。営業時間、定休日は変更となる場合があります。

◇道の駅みくに
農産物直売所ふれあいパーク三里浜
場所:三国町山岸67-3-1
【電話】82-3339
時間:9:00~17:00
休館日:11月~3月中の月2回水曜日、年末年始

◇ゆりの里公園
農産物直売所ゆりいち
100%春江町産コシヒカリも販売中(なくなり次第終了)
場所:春江町石塚21-2-3
【電話】43-1831
時間:9:00~17:00
休館日:火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始

◇道の駅さかい
農産物直売所いねす市
場所:坂井町蔵垣内34-14-1
【電話】72-7600
時間:8:00~17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始

問合せ:農業振興課
【電話】50-3150