- 発行日 :
- 自治体名 : 福井県美浜町
- 広報紙名 : 広報みはま 令和7年9月号 No.656
美浜1号機:廃止措置中(平成29年4月19日~)
美浜2号機:廃止措置中(平成29年4月19日~)
美浜3号機:運転中(令和7年6月18日~)
■第224回美浜町原子力環境安全監視委員会を開催
7月16日に、第224回美浜町原子力環境安全監視委員会を町役場で開催しました。
今回の委員会では、事務局から発電所の周辺環境への影響等に関する福井県原子力環境安全管理協議会の報告内容と、放射線の基礎知識について説明しました。
また、関西電力(株)から美浜発電所の現状について説明を受け、1・2号機の廃止措置の状況や美浜発電所3号機保安規定の運転上の制限の逸脱及び復帰についてと、使用済燃料対策ロードマップの進捗状況についての内容を確認しました。
委員会での主な質疑は、次のとおりです。
▽美浜発電所3号機保安規定の運転上の制限の逸脱及び復帰について(関西電力(株))
問1:炉内外核計装照合校正にかかる入力データに誤りがあったとのことであるが、校正作業ができる者は社内規則等で規定されているのか。
答1:炉内外核計装照合校正にかかる入力データの作成を実施する上で、必要な力量と教育を定めている。今回の事象については、指導者の助言を受けながら、校正作業を実施できる力量があったが、データ値の引用元を誤った。
問2:炉外核計装の指示値が10%程度低い指示値を示していたとあるが、仮に今回の保安規定の運転上の逸脱に気付かずに一定時間経過した場合、具体的にどのような事象が生じる可能性があったか。
答2:指示値が10%程度低い状態で出力を上昇させた場合に、本来の設定値でトリップしない恐れがあり、これが保安規定の制限を逸脱していた状態であった。
なお、今回10%程度低い指示値を示していたものは中性子束を検出して出力を監視するものであり、その他にある原子炉の出力を監視するパラメータでチェックすることができた。
問3:保安規定の運転上の制限の逸脱の対策として、事例研修を実施するとしているが、誤入力や間違いがあった場合にチェック機能が働くようなシステムを作るような対策を考えていただきたい。
答3:現状としては自動化できないが、何かしら自動化することでエラーを減らすことができないか、参考にさせていただいて、対応していきたいと考えている。
■美浜発電所後継機にかかる自主的な現地調査について
◆7月22日関西電力(株)から報告
戸嶋町長と川畑議長が、関西電力(株)から、美浜発電所の後継機設置検討の自主的な現地調査(※)について報告を受けました。
これを受け、戸嶋町長は、原子力政策を前に進めるためには、
(1)立地地域の理解と協力、信頼関係、
(2)地域振興、
(3)安全安心の最大限の確保
が必要不可欠であるとし、状況を把握したうえで、改めて回答する旨を伝えました。
▽関西電力(株)による自主的な現地調査とは
・新規制基準への適合性の観点から、地形や地質等の特性を把握し、後継機設置の可能性の有無について検討するために行うもの。
→後継機設置の事業成立の可能性を見極める、検討事項の一つ
ボーリング調査:ボーリング機械を用いて、岩石を採取し、地質状況や岩石の性状を調査する。
地表踏査:地表を歩きながら、地質等を観察・記録し、地表面の地質の分布状況を詳しく調査する。
▽後継機設置については
・革新軽水炉の開発状況や規制の方針
・事業者としての投資判断を行う事業環境整備の状況
総合的に考慮する必要あり
※この調査結果のみで、後継機設置を判断するものではない。
◆8月4日
戸嶋町長が、関西電力(株)へ町の方針を回答
(1)立地地域の理解と協力、信頼関係
町民の声にも耳を傾けてきたが、町議会や地元関係者と同様、今回の調査に対し理解を示す声が多かった。
(2)地域振興
地域振興の要となる「共創会議の将来像」の実効性を向上すべく、財源の確保等、検討が進められていることを確認できた。
(3)安全安心の最大限の確保
美浜・高島避難道路の事業着手に向けた調査や関連予算の確保等、具体的な検討がなされていることが確認ができた。
以上のことから、総合的に判断し、自主的な現地調査について地元理解を得ながら進めることを容認しました。なお、本調査についても、安全最優先を念頭に、しっかりと取り組みながら、町民への丁寧な説明を行うよう伝えました。