くらし 【特集】私たち、袋井が好きです。〜袋井に住む外国人を知る〜(2)

■袋井で活躍する外国人
◆異国の地で産業を支える
◇スオンさん ユンさん(ヤマトエスロン株式会社 静岡工場(延久))
ヤマトエスロン株式会社では、「365日を支える。」を企業使命に、ハブラシや化粧品の容器などのプラスチック製品を製造しています。ベトナム出身のスオンさん・ユンさんと、外国人従業員を支える竹林さんにインタビューをしました。

射出製造グループ製品チーム スオンさん(ベトナム出身)
射出製造グループ製造技術チーム ユンさん(ベトナム出身)
管理課 竹林さん
※写真は本紙をご覧ください。

―どんな仕事をしていますか?
スオン:私は、技能実習生として製品の検査や梱包などをしています。
ユン:私は、ベトナムの大学で勉強した自動車工学の知識を生かして、機械メンテナンスをしています。

―仕事と日本語の勉強の両立は大変?
スオン:仕事が終わってから自主勉強をしていますが、日本で生活する上で必要なことなので、全然大変じゃないです。毎日職場の皆さんと会話することも、日本語の勉強につながっています。
ユン:私も、職場での会話で日本語を覚えています。会社のクラブ活動にもたくさん参加し、いろいろな人と交流して、楽しみながら、日本語を覚えています。

―今後の目標は?
スオン:「日本語能力試験」の「N1」(最高難度)に合格することです。職場の皆さんと、もっと上手な日本語で話せるようになりたいです。
ユン:僕も「N1」合格が目標です。また、『プラスチック成形技能検定2級』も受検します。日常会話では使わない専門用語ばかりで難しいですが、より広い分野で活躍できるよう、合格を目指して頑張ります。

―竹林さんは、2人の活躍をどう感じますか?
竹林:2人とも、前向きに仕事に取り組んでいます。あいさつも元気にしていて、まさに職場を活気づけてくれる存在ですね。従業員と積極的に会話したり、日本語能力試験にも挑戦したりと、向上心の高さも伝わります。

―今後の外国人材受入の展望は?
竹林:人材確保と開発途上国の産業を支える人材育成を兼ねて外国人材の採用を始めましたが、現場が活気づいたり、外国人ならではのアイデアが生み出されたりと、想定外の効果もありました。引き続き採用させていただき、社会貢献と事業安定につなげていきたいですね。

市内で働く外国人数:1,326人
(「令和6年度 袋井市内事業所における外国人材受入等状況調査」より(回答事業所数617件))

◆団員確保に悩む中現れた救世主
◇マツオさん(袋井市消防団浅羽方面隊第5分団(団員数11人)
本市の消防団は、少子化などを背景に団員数が減少しています。そのような中、今年4月、希望の光が差し込みました。浅羽方面隊第5分団に本市初の外国人団員・マツオさんが入団したのです。マツオさんと分団長の松下さんにインタビューをしました。

団員 マツオさん(ブラジル出身)
分団長 松下さん
※写真は本紙をご覧ください。

―入団のきっかけは?
マツオ:松下分団長に声を掛けてもらったことです。元々祭典を通して交流があったので、安心して入団することができました。

―外国人団員は、できることが限られると聞きましたが…?
マツオ:外国人団員は、出動時の緊急車両の運転や建物の中にいる人を救助するために窓ガラスを割ったり、団員以外に消火を手伝うよう指示をしたりすることなど(公権力の行使につながる行為)、確かにできないことはありますね。でも、袋井市の場合はほとんどの活動は日本人団員とペアで行うという条件であればできます。もちろん、消火活動もです。いざという時に備えて、毎月の放水訓練にも真剣に取り組んでいます。

―外国人の皆さんにメッセージを
マツオ:地域の活動に参加すると、近所の皆さんとのつながりができます。自分も、地域の祭典や草刈りに積極的に参加しています。言葉の壁もあるかもしれませんが、ぜひ外国人の皆さんも、自分から地域の活動に参加してみてください。優しく迎えてもらえますよ。

―松下さんは、外国人団員の受け入れに不安はありませんでしたか?
松下:特になかったですね。人が減っている中で当分団唯一の新入団員として入団してくれて、感謝しかないです。

―マツオさんの活動の姿勢は?
松下:とにかく真面目です。分からないことはそのままにせず、しっかりと聞いてくれます。訓練や防火パトロールも毎回欠かさず参加してくれて、責任感の強さも感じます。

―マツオさんに期待することは?
松下:バイリンガルなので、有事の際は通訳としても活躍してくれるのではないかと思います。
また、彼をきっかけに消防団に興味を持つ外国人が増え、各分団の団員確保につながるといいですね。

袋井市消防団の外国人団員数:1人

私たちの身近にも、「このまちを共に支え合いたい」という気持ちで仕事や地域に向き合っている外国人がいます。