くらし 〔第55回 市長対談〕津駅周辺の将来像~バスタ構想から、まちの再編を描く~(3)

■50年先まで使う空間として駅・道路・周辺エリアをトータルでデザインしていく
市長:バスタプロジェクトを進めていただく上では、まちとのつながりがとても大事だということですね。ちょうど県が「ほこみち制度(歩行者利便増進道路制度)」を活用した東口県道の歩道拡張を検討されています。市では、東西自由通路を整備することで東口のバスタと西口をつなぐ構想があり、まだ具体的な場所は決まっていませんが、これもまちを繋ぐ大きな考え方の一つです。
東口駅前広場に目を向けますと、津市が所有する駅前広場の道路用地は約5700平方メートルです。駅前広場全体では約7400平方メートルですが、平面利用としてはやや狭い感があります。今の発想としては、津駅の道路用地にバスタを持ってくることが考えられ、もう一つの考え方として、JRさんのご意向にもよりますが、駅ビルと一体的に捉えていけば、より高い建物が建てられるということも考えられます。これはあくまでも可能性というお話ですが、バスタから駅前再編の議論が始まり、まちづくりへ展開しようとしています。このようなまちの再開発の姿について専門の見地からご助言いただけませんか。
松本:その発想は素晴らしいと思います。古いビルはいずれ再開発しなければならない中で、この機に乗じて一体的にやれば、1プラス1が2以上になる。都市計画の手法を活用し、例えば容積率の緩和により望ましい建物、施設誘導をコントロールすることも考えられます。全国の駅前広場の開発事例では、駅前だけを開発した場合に比べ、周辺も一体的に開発した場合の方がまちにとって良い結果が見られています。
開発に当たっては「これから50年使う駅として駅周辺も含めトータルデザインする」「周辺道路も含めた検討をする」「バスのネットワークを充実させる」という3つの要素が大切だと思います。そして一番大事なのは、歩行者が安心してくつろげる、歩きたくなるウォーカブルな空間づくりです。このような視点を持って取り組むことで、快適な駅前空間になると思います。
望月:津駅周辺の取り組みは、これまで津市・三重県と一緒に調整してきて、この度、津市がビジョンを取りまとめ、こんなエリアにしたいという方向性を示してくださいました。今後は、公共交通ターミナルを整備するならばどのような機能を持たせるのか、また松本先生が仰る通り、どのように一体的にまちづくりを行っていくのか、しっかりと市・県と連携し、地域の方々とも対話しながら進めていきたいと思います。
市長:ありがとうございます。バスタは津市にとって、国・県とお話しながら進めている大切なプロジェクトですので、今後ともよろしくお願いします。津市では、今年度、津駅西口駅前広場の整備に向けて設計を進め、東口については官民連携のあり方や進め方を調査する費用を予算化しています。引き続きしっかりと取り組んでまいります。

●津駅周辺の課題と将来像
津駅東口・西口・東西連携の課題と、ビジョンで示す目指すべき将来像をご紹介します

▽東口駅前広場
〔課題〕
・ロータリー内への車両の集中と送迎車両の錯綜による混雑
・乗車待ちの行列と歩行者の錯綜、道路上でのバスの乗降、14カ所に点在するバス乗降場
〔将来像〕
・多様な移動手段を集約する交通ターミナルとして整備することで、機能を強化
・道路の上部空間を活用し、地域の活力を引き出すことで都市拠点としての魅力を向上

▽西口駅前広場
〔課題〕
・送迎車両の乗降場に明確なルールがなく公共交通と錯綜
・歩道が狭く、通勤・通学の歩行者とバス降車時の人の流れで歩道内が混雑
〔将来像〕
・安全性の高い歩行空間と乗降スペースの再配置による、誰もが使いやすく快適に移動できる空間へと再編。

▽東西の移動
〔課題〕
・整備後56年が経過した歩道橋は、老朽化により通行止めに
・地下道が鉄道駅舎から離れた位置にあるため、乗り換えが不便
〔将来像〕
・いつでも安全・安心、快適に東西を往来でき、効率的な乗り換えが可能な東西自由通路
・案内誘導を充実させ、誰もが安心して歩ける駅周辺の歩行空間を整備
※詳しくは本紙をご覧ください。

■MAYOR’S TV SHOW
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※詳しくは本紙をご覧ください。

問合せ:建設政策課
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