くらし 96歳!これからも自宅で過ごす(3)

■わたしの思いを伝えていく
▽身近な人と話してみよう!
在宅医療や介護について、看護師・ケアマネジャーの福本さんに話を聞きました。

〇ナーシングホームもも 福本美津子さん
本人や家族が希望すれば、最期まで自宅で過ごすことができます。一人暮らしでも可能です。専門職など生活を支える人やサービスがたくさんあるので、それぞれが生活に寄り添います。
在宅医療や介護では、家族が無理をするのは禁物。訪問回数の増量、ホームヘルパー導入、ショートステイなどのサービスをうまく活用してほしいです。
また、私たちケアマネジャーは、初回の訪問で、これからどう生活をしたいかということを聞き取ってケアプランを立てます。ケアプランは、毎月継続の確認をして、その都度、考えが変わったら柔軟に対応して書き直しを行います。
そして、在宅医療や介護は、「家族がすべて背負う」ということではありません。専門職と地域の力を合わせて、頑張りすぎないことが大切です。迷ったら、いつでも専門職に相談してくださいね。

病気を抱えながら生活するなかで、死を特別視しすぎず、普段から家族やご近所さんと「最期はどこで過ごしたいか」、「延命治療はどうしたいか」などを話しておくといいでしょう。自分がどうやって生きたいのか、どういう最期を迎えたいのかということを家族やご近所さんなどが知っているような関係がいいと思います。日常的に話しておくといいですが、書き残しておくのもいいでしょう。メモ程度でも構いません。書き残す場合には、延命の可否、過ごしたい場所、家族に共有しておきたい事項を書くといいでしょう。
誰かが、自分の希望を知っていれば、いざというときに「○○したいって言ってたよね」と思い出してもらい、希望をかなえてもらえるかもしれません。自分の希望を前もって共有することが自分らしい最期につながります。

▽「人生会議の日」~11月30日は「いい看取り・看取られ」の語呂から~
どのような医療や介護を受けて最期を迎えるかなど、小さな自己決定をカタチにしているツールとして、終活ノートがあります。一度、書いたあとも、自身の状況の変化に応じて気持ちの変化も生じてくるでしょう。考えを整理し直すこと、話し合いや書き直しを繰り返すことが大切です。人生会議を定期的に行ってみましょう。
自分や家族の節目の歳のとき、人間ドッグや健康診断の結果が出たときなどに身近な人と話し合ってみませんか?